今回は、人事や組織の話をしたい。

 日本企業は相対的に人事部門の権限が大きい会社が多いが、グローバル企業では直属上司の権限が大きい。

 日本企業、特に大企業では人材の昇進、異動、転属などは、中長期的に同期もしくは同年代の中での順列、場合によっては学歴、大学までも考慮した全体バランス重視の人事部門主体の人事が実施されるのが一般的だと思う。

 最近では、年功序列の傾向は以前より弱くなっているとはいっても、やはり「xx年入社」という同期、同年代の壁を破って先輩社員を飛び越えての昇進というのは、あまりないケースだろう。

「同期」のいないグローバル企業

 ところが、グローバル企業には、そもそも同期入社とか同年代とかの概念はほとんどない。日本企業のように、「xx年入社」というような概念がないのだ。

 人材の流動性が高いためほとんどが中途入社だし、新卒入社でも日本のように新入社員全員が4月1日に同じようなリクルートスーツを着て入社式、というセレモニーは行わない。

 大学卒、大学院卒、MBA取得者もいれば、飛び級経験者もいる。社会人になってから大学に入りなおした人もいるので、年齢は様々だし、国によって学校の卒業時期が違うので、入社月もばらつきがある。

 人事の評価期間も、日本企業では基本的に数年から十数年という中長期期間での評価で、「○○入社組初の課長」とか「○○年入社の役員」というポジションをやっと得ることになるのが一般的だと思う。

 ところがグローバル企業の場合は、出来る人材と評価されれば、数カ月で昇進するケースも稀ではないし、いわゆる飛び級で2段階昇進する場合もある。

グローバル企業に「働かない人」はいるのか

 一方で、年齢を重ねても特定分野のプロフェッショナルとして、部下を持つ管理職になることを避け、自分の子供くらいの年齢の上司のもとで働くことを選択する専門職もいる。

 グローバル企業には、年をとっても評価されず昇進もせず、特定分野のプロフェッショナルとして認知もされないような人材は存在しない。なぜなら、その前にクビになるからだ。

 それでは、グローバル企業と日本企業の中間の要素を持つ外資系企業の場合はどうだろうか。

 筆者が外資系大企業にいた約20年前くらい前には、労働組合も強かったので、このような「働かない人」が結構な割合で存在した。

 実際、筆者が30代半ばでマネージャーになった時には、部下に50歳を超える「働かない人」がいた。こういう人は、初めてマネージャーになった若造の筆者にとっては強敵だった。いや、若造にだけでなく誰にとっても厄介者だろう。

 すべてにおいて、「お手並み拝見」とばかりに傍観者、批評家のポジションを決め込んでいるからだ。

 こういう世捨て人風中高年のモチベーションを高めて戦力化するのは至難の業だし、社歴が長いだけに社内人脈もあり、扱い方を誤ると足元をすくわれる。年代的に、役員クラスと個人的に懇意にしている場合も多いため、扱いも慎重を期さねばならない。

 各マネージャーとも、こういう「働かない」中高年の部下は、何とか異動させようと「ババぬき」を画策するわけだが、誰も引き取り手がいない。そこで、野球のトレードと同じように、他の人材との「抱き合わせ」で、トレードしたりしたものだ。

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