低消費電力、広域、低コストが特徴

 LoRaWANは「LPWA(Low Power Wide Area)」と呼ばれる通信方式の一種。低消費電力、広域、低コストが特徴だ(関連記事:IoT向け無線通信「LPWA」の全貌)。

写真2●東京・東池袋の菱電商事社屋に設置されたLoRaWAN用ゲートウエイ(基地局)
(出所:菱電商事)
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 LoRaWAN用通信モジュールは「単3乾電池2本で10年以上もつ」とされる。無線免許が不要で、かつ電波の飛距離が出やすい性質を持つ920メガヘルツ帯の周波数を利用する。1台の基地局(LoRaWANゲートウエイ、写真2)で10キロメートル超の距離をカバーできる。モジュールは1個500円程度、基地局も1台数十万円程度で済むというコストも魅力だ。

 ただし、コストと電力消費を抑える設計のために、通信速度は0.3k~50kbpsと遅い。大容量・高速の通信が求められる用途には向かないが、地域・都市の広範囲に多数存在する機器を遠隔制御する用途に向く。

山間部にある鉄塔を管理、見通しで33キロの長距離通信に成功

 日本IBMは既に複数の顧客企業と共同でLoRaWANの検証を始めている。中部電力は2016年11月から、送電設備管理システムに活用するための技術検証を始めた。超高圧送電用の鉄塔は山間部に数多く設置される。携帯電話の電波は届かず、他の通信手段を使おうにも家庭用の電圧の電源はない。そこで、乾電池で通信できるLoRaWANに着目。見通しが良い場所で、最大33キロメートルの通信に成功したという。

 アズビル金門は、家庭・事業所に設置したメーターの遠隔検針・保守での活用を狙う。壁や床などの障害物がある場合でも届きやすいLoRaWANの電波特性に着目した。2017年初にも寒冷地で実証実験を始める。

写真3●アズビル金門の水道メーター
(出所:アズビル金門)
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 寒冷地では凍結防止のため、水道メーター(写真3)を地下0.7メートル程度の深さに埋設する。「電波が届きにくい悪条件下でも実用に堪え得るかどうかを検証する」(小林孝行執行役員営業本部長)狙いがある。当初は、半径3キロメートルの範囲をカバーするように基地局を設置。さらにカバー範囲を広げて基地局設置台数を減らすことも検討する。

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