KDDIは2016年12月8日、ビッグローブの全株式を日本産業パートナーズから買収し、2017年1月末に完全子会社化すると正式発表した。買収金額は約800億円。「BIGLOBE」のサービスブランドは当面、継続するという。

 KDDIによると、ビッグローブ買収の狙いは3つ。(1)ビッグローブのISP会員に対するauスマホ獲得の強化、(2)ビッグローブ会員に対する決済や物販事業などライフデザイン領域のビジネスの拡大、(3)KDDIとビッグローブ両社のネットワークの効率化——である。

KDDIの田中孝司社長は2016年5月12日に開催した決算会見で、中期計画として今後3年間で約5000億円規模のM&A資金を用意していることを明らかにしていた。
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 (1)のauスマホ獲得の強化については、2016年9月末時点で約200万件というビッグローブの固定ISP会員を対象に、auスマホとのセット割を提供する予定という。

 KDDIのパーソナルセグメント(国内の個人向け事業)の純増数は、格安スマホへの顧客流出の影響で2016年度に入って急激に落ち込んでいる。同セグメントの契約者数(ID数)も2016年以降、目減りしている。総務省のガイドライン適用もあり、競合他社からの顧客獲得が難しくなる中、約200万件のビッグローブの顧客基盤でクロスセルを進め、契約者数の拡大を図る考えだ。

 (2)のライフデザイン領域のビジネスの拡大についても、ビッグローブの固定系ISP会員の顧客基盤を評価した。「世帯へのリーチが可能で、非通信領域のビジネス拡大につなげられる」(KDDI)。ビッグローブの固定のISP会員は、年齢層が高いユーザーが中心であり、購買力があるとKDDIは考えたようだ。

 (3)ネットワークの効率化については、両社で重複する回線や機能などの最適化を図る。ビッグローブの光回線は、KDDIの「auひかり」も取り扱っているものの、NTT東西の「フレッツ光」が主力。MVNOサービスもUQコミュニケーションズ回線を扱っているが、中心はNTTドコモ回線だ。「すぐに現状のビッグローブ光やBIGLOBE SIMのバックの回線をKDDI系に切り替えていくことは考えていない」(KDDI)というが、将来的には徐々にKDDI系の回線の比率を高め、NTT系の回線からの移行を進めることも予想できる。

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