リスク対策支援を手掛けるエルテスは、銀行口座や通話履歴といった各種データから犯罪行為の兆候を見つけ出す事業に乗り出す。個人や会社の間の資金移動や通話、物流といったデータを、関係機関の協力を得て収集。ヒト・モノ・カネの流れを可視化して、インサイダー取引や不正送金などの兆候をあぶり出す。

 このほど同技術を持つエストニア企業と提携。2016年12月に正式発表する見通しだ。金融犯罪のほか、2020年の東京五輪開催に向けたテロ対策などの需要を見込む。

 サービス名は「VizKey(ビズキー)」。開発元であるエストニア企業、リアルシステムズと日本国内における独占販売契約を結んだ。

「VizKey」による分析画面の例
(出所:エルテス)
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 同サービスは、ヒト・モノ・カネに関する様々なデータを分析して、一見すると分かりづらかった個人や企業の関連性をグラフに図示するもの。分析対象のデータは、銀行口座間の入出金履歴、電話の通話履歴、手紙や物品の配送履歴、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の投稿、携帯電話の位置情報、住所、親族関係を示す戸籍情報など。

 文字や数値ならば種類や形式を問わない。非公開のデータについては、警察機関や銀行、証券会社などから、犯罪捜査に関する守秘義務契約を結んで提供してもらう。

 誰と誰が連絡を取り合っているか、カネの出し入れや株取引を頻繁に実施している人の親族にインサイダーがいるか、といった関係性をグラフ化する。例えば、ある銘柄の株式を短期間に売買した証券口座の保有者の関係性を分析。インサイダーになり得る二親等以内の親族には疑わしい者はいなかったが、実は口座保有者の父親の妻が対象銘柄のインサイダーだったことが分かる、といった具合だ。

 従来は、対象銘柄の取引履歴を一つずつ調べる必要があった。口座保有者について登録しているデータも親族の勤務先くらいで、手作業で見つけられるのは主に直接的な人間関係だったという。

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