日本のクラウドソーシング業界を率いてきた2社が、それぞれの正念場を前に相次ぎ新戦略を打ち出した。東証マザーズ上場後2年で初の黒字化が見えてきたクラウドワークスは、利用者の裾野拡大へ新サービスを発表。ランサーズは数年後の上場も視野に、事業の足場固めを急ぐ。クラウドソーシングで働くフリーランスに「格差問題」が広がる中、大手2社の動向は市場の先行きを左右しそうだ。

黒字化に向けて「今期、必ず目標を達成したい」と語る吉田社長
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 クラウドワークスが2016年11月15日に提供を始めたのは、個人間でスキルを売買する新サービス「WoW!me(ワオミー)」。消費者同士が取引をする「CtoC」と呼ばれる分野のサービスだ。

 新サービスは似顔絵や結婚式の動画制作、ちょっとした相談ごとなど、個人が自身の得意とするスキルを出品する。「個人が持つ、裾野の広いスキルが流通するサービス。これまでのクラウドワークスは企業Webサイトの記事作成やサイトそのもののデザイン、翻訳など、どちらかというと内容が少し“堅い”ものだった」(成田修造副社長)。

 10月17日に事前登録を始め、登録利用者数は5000人、出品スキル数は2000件を超えた。個人がより気軽にネット経由で仕事を受けられるようにして、クラウドソーシングをはじめとする同社事業利用者の裾野を広げる。

 CtoCのスキル売買サービスは、先行する競合他社が多い分野だ。ココナラやピースオブケイクといった専業のほか、クラウドソーシング大手のランサーズも同様なサービスを手掛けている。

 クラウドワークスはサービス開始当初、スキルの売買が成立した場合などの手数料を手数料を無料にして、幅広く利用者を呼び込む。同社サービスの利用者が広がれば既存のクラウドソーシング事業の利用者増や品質向上につながり、さらにCtoC事業にはずみがつくとの「相乗効果」(成田副社長)も優位点と見込む。「まだCtoCのスキル売買の市場はそれほど大きくない。競合企業に対する優位性を保ちつつ、市場そのものを大きくしていきたい」(吉田浩一郎社長)。

赤字続きも「事業の進捗は計画通りで順調」

クラウドワークスの三つの重点事業領域
(出所:クラウドワークス)
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