NEC、NTTデータ、日立製作所の2017年上期決算は増収増益だった。2020年ごろまでは国内企業のIT投資が堅調に推移する見込み。業績が好調なうちに改革を進められるかが、その後の明暗を分けそうだ。

図●国内IT大手の2017年度上期業績
好調な国内IT投資がけん引
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 「好調な国内事業がけん引し、年間予想に対して順調に推移した」。NTTデータの岩本敏男社長は2017年11月7日、2017年度上期(4月~9月)決算をこう振り返った。一方で「デジタル変革など新分野の人材が不足している。国内のIT企業はみな同じ状況だろう」と課題を明かした。

 NECとNTTデータ、日立製作所(情報・通信システム部門)の上期決算は増収増益。富士通(テクノロジーソリューション部門)も事業売却の影響を除けば増収だった。

 基幹系システムの再構築やクラウド移行などのインフラ刷新需要が旺盛な2020年ごろまでは国内企業のIT投資は堅調に推移しそう。だが岩本社長が指摘するように、今後のITサービス市場の主軸は基幹系システムの開発や保守から、人工知能(AI)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)を活用したデジタル変革に移行する。業績が堅調なうちに構造改革をどれだけ進められるかで、東京五輪・パラリンピック後の明暗が分かれそうだ。

デジタル変革を担う人材を育てる

 4社の中でも特に構造改革が急務なのがNECと富士通だ。国内IT市場が堅調な中でも、営業利益率はそれぞれ0.6%、3.2%と低迷する。

 NECが上期に増収増益となったのは、電子部品を手掛ける日本航空電子を2017年1月に連結子会社にした影響が大きい。通信機器の販売減や、前年度にあった大型案件の反動減などで実質的には減収減益だった。

 「デジタル変革の専門人材を2018年度中に1000人にする」。危機感を持つNECは決算発表から1週間後の2017年11月8日、顧客企業のデジタル変革を支援する体制の強化を発表した。事業アイデアの提案や具体化、最新技術の適用、高度なデータ分析といった役割を果たす専門人材を、社内教育や外部人材の採用などで現在の800人程度から200人増やす。「成長市場の産業分野でIoTやAIを活用した新しいビジネスモデルの事業をどう勝ち取るかがポイントになる」(新野隆社長)。

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