企業などの事業者に、従業員のストレス度合いの調査を義務付ける「ストレスチェック制度」が、2015年12月1日から施行される。1年に1度、調査票を用いて仕事の状況や精神状態などをチェック。高いストレスを抱えていると判断された従業員には、必要に応じて医師や保健師による面談指導などを実施する。50人以上の従業員を雇用する事業者には、こうした一連の作業が義務付けられる。

 このストレスチェックに、ITを活用する動きが活発化している。ストレスチェックはオンラインで実施し、回答を自動集計。職場ごとに集計を実施し、詳しい分析につなげるといったことも可能だ。IT各社は、こうした機能をそろえたソリューションの提供を始めている。富士通マーケティング/富士通ソフトウェアテクノロジーズ/富士通エフ・オー・エムの「メンタルヘルスソリューション」や、NECソリューションイノベータの「メンタルヘルスケアサービス」などだ。

 義務化を前に、企業の導入検討も進んでいる。例えばNECソリューションイノベータのサービスは、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)版を10社、オンプレミス版を3社が採用済み。検討中の企業は、約170社に上るという。

 ストレスチェック制度を契機に、従業員の健康管理全体のIT化に踏み切る企業も出てきた。東京・千代田区の「ホテルニューオータニ」などのホテル事業を展開する、ニュー・オータニである。

ストレスチェック制度により、産業医の負担が増加

写真●右から、ニュー・オータニ 人事総務部長兼プロジェクト室部長の石川桂氏、同部総務課 看護師の荒川直美氏、同部総務課長の小野有之氏
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 「ホスピタリティ産業には笑顔が求められる。従業員一人ひとりが笑顔でいるためには、健康が最も大事」。ニュー・オータニ 人事総務部長兼プロジェクト室部長 石川桂氏はこう話す(写真)。これまでも産業医を中心に健康管理に取り組んできたが、2015年度に体制を刷新した。大きなきっかけとなったのが、ストレスチェック制度だ。

 「産業医は、身体面の健康管理など現状の業務だけで手一杯の状態。これにストレスチェック制度が加わると、オーバーワークになる可能性がある」(石川氏)。体制作りの第一弾として、看護師の資格を持つスタッフを新規採用した。

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