2020年度後半以降にISDNのデータ通信サービス(INSネット ディジタル通信モード)が終了することを受け、ISDNの置き換えを狙うサービスが相次いでいる。目立つのがMVNO(仮想移動体通信事業者)によるモバイル回線を使った代替サービスだ(図1)。日本通信は「モバイルISDN」を2016年9月28日に提供開始。パナソニックは「ISDNマイグレーションサービス」を10月7日に開始した。

図1●ISDN端末をモバイル回線で接続する
ISDN端末を変更せずに回線をモバイルに置き換えるサービスが登場している。ターミナルアダプターなどISDNに接続するための装置を、モバイル対応のゲートウエイ装置に変更する。
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 これらのサービスでは、ターミナルアダプターやDSU(Digital Service Unit)といったISDNに接続するための装置の代わりに、モバイル対応のゲートウエイ装置をユーザー側に設置し、ISDN端末をMVNOのモバイル回線につなぐ。ゲートウエイ装置はシリアルインタフェースに対応しているため、シリアル接続のISDN端末をそのままつなげる。

 モバイルを使う主なメリットは、設置の容易さとコスト。特にコストについては、MVNOならではの料金プランを設定できるため、ISDNの1/3~1/2程度の料金で提供できるという。また、「MVNOの閉域網につなぐため、システムの要件に応じた制御が可能」(日本通信 執行役員の後藤 堅一氏)。一方で、無線区間の通信品質が一定ではないため、通信の安定性はISDNには及ばない。

 用途として有望なのは、監視や警備用、銀行ATMの通信回線など。パナソニック AVCネットワークス社 イノベーションセンター マーケティング部 主幹の原 正生氏は「ISDNで作り込んであり、すぐにはIP化できないシステムなどを主なターゲットにしている」と話す。

NTTの補完策が検証可能に

 回線の移行に時間がかかるユーザーに向けたサービスも準備が進んでいる。NTT東日本/西日本は9月12日、ISDNサービス終了後に提供を検討中の「メタルIP電話上のデータ通信」サービスの検証環境を構築し、提供を始めた。

 同サービスはISDN終了までに移行が間に合わないユーザーを対象に、既存のISDN端末をそのままメタル回線で接続できるようにするもの。10月6日時点で2団体と2社が検証を実施しており、今後も増加が見込まれているという。

出典:日経NETWORK 2016年11月号 p.18
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