韓国サムスン電子は2016年10月11日、「Galaxy Note7」の製造と販売を終了することを発表した。2016年8月の発売以降、Note7は世界各国で発火や爆発事故が相次いでおり、大きな注目を浴びてきた(写真1)。

写真1●製造と販売の終了が発表されたサムスンの「Galaxy Note7」
(撮影:山口 健太、以下同じ)
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 サムスンの動きは速かった。問題発生直後の9月には端末の自主回収を発表、交換を進めてきた。だが10月に入ってからは交換品でも発火が相次いだことで、製造・販売の全面的な終了に追い込まれる形になった。

 本記事ではNote7に起こった一連の問題を振り返り、日本市場に与える影響を分析したい。

原因をバッテリーと特定し、リコールに踏み切ったサムスン

 Galaxy Note7は、ペン入力が特徴の大画面スマートフォン「Galaxy Note」シリーズの最新モデルだ。

 8月2日に米・ニューヨークで開催された「Galaxy Unpacked 2016」での発表後、8月19日には韓国や米国など世界各地で販売が開始された(日本では未発売)。だがその後、8月24日ごろから韓国でNote7が発火するという現象が報告され、注目を浴び始めた。

 筆者がサムスン側の動きを最初に感じたのは、8月31日にドイツ・ベルリンで開催された「Gear S3」の発表イベントだ。ここではNote7が詳しく紹介されないまま、イベントは30分で終わってしまった(写真2、3)。

写真2●30分という異例の短さで終わったGear S3の発表イベント
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写真3●同イベントの会場に展示されたGalaxy Note7
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 通常、サムスンの発表イベントは1時間程度の長さが標準的だ。例年通りならNote7を欧州向けに改めて紹介するところを丸ごとカットした結果、30分で終わった可能性が指摘されている。

 そして9月2日、サムスン無線事業部門長の高東真(コ・ドンジン)社長は韓国で記者会見を開き、端末の自主回収を発表した。発火の原因はSamsung SDI製のバッテリーで、これを搭載したNote7は製造した250万台のうち65%とみられていた(関連記事:Samsungの「Galaxy Note7」リコール、費用は推計10億ドル)。

 この時点でサムスンは、バッテリーさえ交換すればNote7の販売を再開できると見込んでいたことがうかがえる。ベルリンで9月2日から7日まで開催された「IFA 2016」のブース展示や家電量販店での陳列は、韓国での記者会見後も撤去される気配はなかった(写真4)。

写真4●ベルリンの家電量販店で予約注文を受け付けていたGalaxy Note7。
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