非課税で投資信託や株式に投資できるNISA(少額投資非課税制度)口座の利用者に義務付けられているマイナンバーの金融機関への届け出が進んでいない。理由の一つにマイナンバーへの誤解や不信がある。マイナンバーの利点をどう伝えるべきかという課題を改めて浮き彫りにした。

 NISAは毎年元本120万円を上限に、新規に投資信託や株式へ投資する際、5年間は利益に課税しない制度だ。

 2017年3月末のNISA口座数は1077万件。このうち9割近くが2014年~2015年に開設されたものだ。2017年9月末までに届け出なければ、2018年以降は再度の開設手続きなしにはNISA口座で投信や株式を購入できなくなる。

非課税枠の利用には再度の開設手続きが必要に
図●マイナンバーを届け出た場合と、届け出なかった場合のNISA口座の扱い
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経過措置に気を取られ後手に

 あるインターネット証券会社は9月中旬の時点で「全口座の2割程度しか届け出がない」と明かす。別のネット証券はスマホアプリを活用するなどして「残高のある稼働口座のうち8割は届け出がされた」(同)というが、多くの金融機関は収集に苦戦したようだ。

 既存の証券口座は届け出期限を2018年12月末までとする経過措置があるが、NISA口座は期限が1年以上早い。マイナンバー制度に詳しい梅屋真一郎・野村総合研究所未来創発センター制度戦略研究室長は「多くの金融機関が経過措置に気を取られてNISA口座の期限を忘れていた」とみる。

 金融機関は2017年5月ごろから一斉にダイレクトメール(DM)を顧客に送り始めた。ところが、多くの顧客はDMを見ても重要な手続きと分からなかったほか、「マイナンバーを届けると税務当局に資産状況を把握される」と誤解して届け出を拒む顧客も少なくなかったようだ。

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