QRコードを使った決済は中国で爆発的に広がっている。都市部を中心に急速にキャッシュレス社会へのシフトが進む。さらに可処分所得の増えた中国人が世界各地へ飛び出し、これら旅行客を取り込むために世界各地でQRコードを使った決済インフラの整備が進んでいる。

 QRコード決済は日本でも広がりを見せている。日本経済新聞 電子版は2017年8月16日、2018年春にもAlibaba Group(アリババグループ、阿里巴巴集団)が日本国内で決済サービス「支付宝(Alipay)」を開始すると報じている。

 日経新聞によると、ローソンや家電量販店など一部小売店でAlipayのサービスが既に提供されており、主に中国人旅行客をターゲットとしたインバウンド向けのキャンペーンが展開されているという。この仕組みを日本人向けにも展開し、3年以内に1000万人規模の利用拡大を目指すとしている。

 QRコードは日本国内でどれだけ浸透するのか。また、どのようなプレーヤーが展開を進めていくのか。最新事情を解説する。

中国深センの街で見かけたAlipayのキャンペーン告知。WeChat Payとの競合もあり、こうした広告をよく見かける(筆者撮影、以下同じ)
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中国のStarbucksでは通常のストアカードのほか、WeChat PayなどのQRコード決済も利用可能
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Alipayの主眼は新規客獲得より既存客向けサービスの拡充

 Alipayの公称値によれば、本稿を執筆している9月1日現在で全世界に5億2000万人のユーザーを抱えているという。2017年初の時点では4億人、春には4億5000万人という数字が出ていることからみても、ユーザーが急速に拡大しつつあることがわかる。

 Alipayのサービスそのものは2004年にスタートし、中国国内のオンライン商取引の市場拡大に合わせて成長を続けてきた。もともとは今日話題となっている店頭でのQRコード決済ではなく、PayPalのようなオンラインの代行決済サービスだった。これが2013年に中国国内での規制緩和により、これまで銀聯など限られた金融機関にのみ許可されていた店頭でのアクワイアリング業務は、Alipayなどのインターネット系の新興金融サービス機関にも開放された。翌2014年以降には、いわゆるQRコードによる店頭での決済が可能な店舗が出現した。

 当初は上海や北京などの大都市の一部店舗で見かける程度だったが、年を経るごとに他の都市圏へ急拡大していき、2017年には今日話題になっているようなQRコード決済のインフラが街の至るところで展開されることになった。

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