「オープン・イノベーションはどうやったら実現できるか」。2016年9月6日と7日に行われたイベント「ICC(INDUSTRY CO-CREATION)KYOTO 2016」では、オープンイノベーションを推進する4人が、このテーマに関して意見を交わした(写真)。4人の背景は全く異なるが、共通したのは「個人のwill(強い意志)が起点となる」というものだった。

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写真●左から、オムロンの竹林氏、WiLの西條氏、レノボ・ジャパンの留目氏、リバネスの丸氏、モデレータを務めたミラツク代表理事の西村勇哉氏

 「クローズからオープンイノベーションが起こる」と表現するのは、オムロンIoT戦略推進プロジェクトリーダの竹林一氏。意図するところは、同じ志を持った人がまず水面下で集まり、ある時点からそれが公にされ、オープンかつ有益な活動として世の中に認知されるようになる、というものだ。

 竹林氏は、「日本ロマンチスト協会」(NRA)や「日本唐揚協会」といった風変わりな団体を紹介し、いずれも強い意志を持った人たちが集まり、そこから大きな組織を巻き込んで資金を得るなどして活動継続できている例だとした。同氏は、このような団体を「秘密結社」と表現する。新しい活動を進めるとき、外部から新しい人が入ってきたときに当初の熱量が下がってしまうことがある。竹林氏は「秘密結社をオープンにするタイミングがとても重要」とした。

 この「秘密結社」に強く反応したのが、リバネス代表取締役社長CEOの丸幸弘氏。同社は、大学などに眠っている技術や研究を世に送り出すための事業を行っている。丸氏は、研究者の間でも、将来必ず役に立つという信念で水面下で進めている研究があり、それはまさに「秘密結社」のようだとした。丸氏は、竹林氏が言う「タイミングが大事」「秘密結社に上下関係は関係ない」という意見にも強く賛同した。

 レノボ・ジャパン代表取締役社長の留目真伸氏は、同社が神奈川県鎌倉市で運営した海の家「Lenovo House」が同じような例だとする。Lenovo Houseは、「ITをフル活用した海の家を作りたい」という人たちが集まって始まり、最終的には自治体も巻き込んで成功を収めた。

 留目氏は、組織の枠を超えたオープンな活動が生まれる背景として、インターネットが果たす役割が大きいとする。「インターネットは、リソースの再配分、最適化を促す仕組みだ」。続けて、「今はオープンな活動があると騒がれるが、新しいことを始めるときに、従来の顔ぶれで進める方が不自然。新しい事業を興すときに、オープンなことは当然になる」とした。

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