米Appleは9月7日(米国時間)、米サンフランシスコ市内で開催した同社スペシャルイベントで「iPhone 7」「iPhone 7 Plus」「Apple Watch Series 2」の3製品と、これら新製品で利用可能な「Apple Pay」の日本国内向けサービス開始を発表した。

写真1●9月7日に米サンフランシスコで開催されたスペシャルイベントにおいてApple Payの国内投入とiPhone 7でのFeliCa対応を発表する米Appleワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデントPhil Schiller氏
(出所:アップル)
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 Apple Payの日本上陸は歓迎する声と同時に、Appleにインフラの根幹を握られるという恐怖も入り交じった形での将来的な業界の変化が期待されていた。

 一方で、今回の発表は完全に日本市場に溶け込む形でのサービスインとなり、より大きな爆弾的なものを期待していた筋にはやや期待外れだった印象もある。そこで海外のApple Payと現状を振り返りつつ、Apple Payの国内参入について少し考察してみたい。

「Apple Pay」登場前夜の米国で起こっていたこと

 Apple Payは2014年10月に米国でスタートした、非接触の近距離通信技術であるNFC(Near Field Communication)を使ったAppleの決済サービスだ。

 米国内で発行されるクレジットカードやデビットカードをiPhone内に取り込み、店舗ではTouch IDと呼ばれるiPhoneのホームボタンの指紋センサーに指を置いた状態で本体上端を非接触の読み取り機にかざすと支払いが完了するという非常にシンプルな仕組みだ。iPhone 6以降の機種にはNFCのアンテナが内蔵されており、このNFCの仕組みで決済を行うのが特徴となる。

 このApple Payが発表される前夜まで、決済業界の間ではGoogleがNFCを使った決済サービス「Google Wallet」の展開に失敗し、米携帯キャリア3社によるジョイントベンチャーの「Softcard」(旧名「Isis」、後にGoogleに買収されてサービス停止)も本サービスへの移行が行われない状況が続き、特にシリコンバレー界隈において「NFCは死んだ」とまで言われる状況となっていたほどだ。

EMV対応の遅れもあり、NFC対応が進んだ米国

 だがApple Payが発表されて以降、再びNFCが注目を浴びるようになり、これまでNFCの導入に消極的だったベンダーや小売各社もその動きに追随せざるを得なくなってきた。

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