みずほフィナンシャルグループ(FG)がブロックチェーンの本格活用に先手を打った。同社は2017年7月7日、貿易取引に伴い金融機関が発行する「信用状(L/C)」などの貿易書類をブロックチェーンの技術で電子化し、実際の貿易取引に適用したと発表した。テスト用のデータを使った実証実験はあったが、実際の貿易取引に適用するのは国内で初めてという。

 L/Cは銀行が輸入事業者の支払い能力を保証する証書だ。輸送に時間がかかる貿易取引で商品と代金を確実に交換するために、銀行が取引の保証人になる。1年間に約450万件のL/Cが世界の銀行で発行されているという。

 みずほFGは輸出入事業者として丸紅の、貿易の保険証券を発行する保険会社として損害保険ジャパン日本興亜の協力を得て、ブロックチェーンを使ったL/Cや保険証券など貿易書類の電子化システムを開発した。「どのブロックチェーンが将来有望なのか、まだ判断ができない」(みずほFGの上野育真デジタルイノベーション部デジタルストラテジスト)ためとして、システムには米IBMが開発を主導する「Fabric」と米R3が主導する「Corda」の2種類のブロックチェーンを使った。

みずほフィナンシャルグループ デジタルイノベーション部の上野育真デジタルストラテジスト
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 みずほFGは実際の貿易取引に関わるみずほ銀行や協力企業の従業員にシステムを使ってもらい、使い勝手などを検証した。

 上野氏は「本当に導入を目指すならテスト用データを使った検証では効果が薄い」と語る。現実の取引に適用することで初めて、本格的な実用化に向けた課題が明らかになるとみる。ブロックチェーンを使いL/Cを実取引に適用した例は世界でもまれという。

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