フリマアプリ最大手のメルカリとニュースアプリのグノシーが、成長痛とも言える課題に直面している。メルカリには事実上の金銭やり取り狙いとみられる出品が続出。マネーロンダリングなどの犯罪につながる恐れがあると、運営元は対処に追われる。ニュースアプリのグノシーは利用者をだましてクリック数を稼ぐ「釣り記事」を防ぐ技術開発に乗り出した。両社のサービスが活況を呈するがゆえに集まるグレーなコンテンツを放置すれば、サービスそのものの信頼性に傷が付きかねない。

 「マネーロンダリング目的や法令違反の出品にはサービス開始当初から対処してきたが、今回は我々の想定を越えていた」。こう打ち明けるのは、メルカリで顧客サポート活動を統括する山田和弘執行役員。4月下旬に表面化した、事実上の金銭やり取り狙いとみられる出品のことだ。

メルカリで顧客サポート活動を統括する山田執行役員
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 メルカリに現金が出品されている――。4月22日、TwitterなどのSNSの投稿をきっかけに、現金出品騒動は一気に拡散した。

 出品者は「現金紙幣1万円札。もちろん本物、即日発送します」などとうたい、お札の写真を投稿。出品価格は1万円札5枚で5万9500円などと割高だ。にもかかわらず、出品画面には売約済みを示す「SOLD」の文字が躍った。

 購入者の目的は不明だが、クレジットカードのショッピング枠を使った現金化の線が濃厚。一刻も早く手元に現金が欲しい、支払期限の迫った多重債務者が購入したとみられる。出品された現金をクレジットカードで購入し、現金書留で送られてきた出品物、すなわち現金を手にするというわけだ。言うまでもなく、購入者は手にした現金と支払った出品価格の差だけ損をする。

 事態を把握したメルカリは、利用規約で禁じるマネーロンダリングに当たると判断。同日、現行の貨幣の出品を禁止した。24時間体制で監視・削除することも発表した。

 ところが騒動は終わるどころか過熱した。電子マネーをチャージ済みの「Suica」、パチンコで事実上の換金手段として使われる「特殊景品」、パワーストーン1個で現金1万円キャッシュバック、果てはお札で折った「オブジェ」まで。本当に出品されたのか真偽の不確かなものも含めて、とんち比べをする大喜利さながらの祭り状態になった。

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