「創業以来、食品を116年にわたって作り続けてきた。当然これからも食品分野で頑張るが、それだけでずっとやっていけるか、という危機感があった」――。そう話すのは、森永製菓 新領域創造事業部の大橋啓祐部長(写真)。同社は2015年5月12日、iOS/Android向けのアプリ「キョロちゃん大冒険」を無料公開した。3~6歳の幼児を主な対象にした知育アプリだ。

写真●新領域創造事業部の大橋啓祐部長(左)と、同事業部の渡辺啓太アシスタントマネジャー
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 キョロちゃん大冒険は、企業が販促目的で公開する無料アプリとは一線を画す。自社の人気キャラクターこそ使っているが、同社商品はアプリ内に一切登場しない(画面1)。同社の狙いが、アプリそのものを収益の柱に育てることにあるからだ。2015年8月以降には有料版の配信を開始し、海外市場にも展開する。

画面1●「キョロちゃん大冒険」の画面
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 森永製菓が新規事業の開拓に本腰を入れたのは2014年。人口減少が進む国内では、大幅な市場の拡大は望めない。また食品流通では小売業の影響力が強く、PB(プライベートブランド)の存在感も増す一方だ。そんな中で新たなビジネス領域を開拓すべく、4月1日付けで新領域創造事業部を新設。大橋氏が部長に就任した。

 新規事業の検討は、「おいしく たのしく すこやかに」という同社の企業理念に立ち戻ることから始まった。今の時代にこの企業理念が何を意味するか、本当にこの理念を今満たせているかを考え直した。

 その中で出てきた方向性の一つが、IT活用だった。「今の子どもたちにとっての“たのしさ”は、デジタル抜きには語れない。また“すこやか”も、デジタルとの親和性が高い。デジタル関連ビジネスをやるべき、と考えた」(大橋氏)。

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