「ここまで大きな事件が起きるとは、国も予想していなかったのでは」――。

写真1●2015年4月22日、首相官邸の屋上でドローンが発見された。写真は首相官邸の外観
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 こう語るのは、20年以上にわたってドローンの研究を進めてきた千葉大学 特別教授の野波健蔵氏。2015年4月22日、首相官邸の屋上に落ちていたドローンを、職員が発見した(写真1)。直径50センチメートルほどの大きさで、4枚のプロペラを備えていた。搭載していたプラスチック製容器からは放射性物質が検出されたこともあり、メディアに大きく取り上げられる騒ぎとなった。

 警視庁は2015年4月24日午後22時15分、首相官邸で発見されたドローンの機種は、中国メーカーDJIの開発する「Phantom(ファントム)」シリーズだと特定した、と発表した(写真2)。野波教授は「Phantomを改造したものではないか」と話す。

写真2●中国メーカーDJIの開発するドローン「Phantom」シリーズ。写真は「Phantom 2 Vision+」
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 DJIの日本法人であるDJI japanは今回の事件を受け、4月22日、「総理官邸」や「皇居周辺」では離陸できないような設定を、同社製ドローンに搭載するGPSシステムに加えたと発表した。アプリ更新のタイミングで設定が追加される。これまで設定されていた飛行禁止区域は、日本国内では「空港周辺」だけだったという。

 ドローンが墜落する事故は各地で増えている。2014年には、名古屋の繁華街でドローンが墜落したと各紙が報じた。11月に開催された湘南国際マラソンでもマラソンスタート直後に、コース近くに落下したため関係者が怪我をした。2015年1月には、米国ホワイトハウスの敷地内で墜落したドローンが発見されたと報道されている。

 ドローンの墜落事故などが多くなってきた背景には、誰もがオンラインショッピングや家電量販店で、簡単に購入できるようになったことが挙げられる。例えば、DJIの「Phantom」シリーズは家電量販店やオンラインショッピングなどを通じて購入できる。モデルによって異なるが、価格は10~20万円だ。

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