「問い合わせ件数が前年比で2倍のペース。2017年3月末時点で、2016年の問い合わせ総数の半分近くに達している」。ジョイゾーが手掛ける定額制SI(システムインテグレーション)サービスが好調だ。2016年は前年比40%増の伸びだったが、2017年に入ってそれがさらに加速している。手探りで始めたサービスの予想を超える広がりに、同社の四宮靖隆氏(代表取締役社長)はうれしい悲鳴を上げる。

ジョイゾーの四宮靖隆 代表取締役社長(左)と四宮琴絵氏(右)
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 このサービスの特徴は、個別見積もりが当たり前だったシステム開発で「定額制」を打ち出したことだ。2014年6月に39万円で業務システムを開発する「システム39(サンキュー)」を開始した。開発基盤として、ドラッグ&ドロップで画面を作成できるサイボウズのクラウド型DBアプリ作成サービス「kintone」を利用する。kintoneの月額利用料金は別途、顧客負担となる。

 「システムを作ることにどれくらいのコストが掛かるのか想像できず、SIベンダーへの相談すら躊躇していたという声を中小企業の方から多く聞いた」(四宮氏)。費用を明確にしたことで、SIサービスの利用はハードルが高いと感じていた中小企業からの引き合いが多いという。

バッチや帳票機能を追加した上位プランも

 ただし、39万円でできることには限りがある。システム39では、初回2時間の無料相談と、顧客と対面相談しながらのアプリケーション開発を1回2時間で3回実施する。開発に掛ける時間はこれだけで、持ち帰り作業はしない。画面のカスタマイズが中心で、「Excelでやっていた顧客リストや案件管理を、Webアプリケーションにして便利にしたいという案件を手掛けることが多い」(四宮氏)。

 逆に言うと、システム39ではExcelシートのWeb化よりも複雑な業務に対応できない。元々サーバーやオフコンで動いていたシステムを39万円で刷新することはできないし、Excelシートでも複雑なマクロを作り込んでいる場合は対応できない。

 しかし、ある程度複雑な業務システムも定額制SIで対応してほしいというニーズが高まってきた。そこでジョイゾーは2017年2月14日、カスタマイズ範囲を拡大した「システム59(ゴクー)」「システム109(トッキュー)」「システム190」「システム390」といった新しい定額制SIサービスを開始した。

 システム59は定額59万円のプラン。システム39と同様に画面操作でアプリケーションを開発した上で、JavaScriptを使って任意の1機能のカスタマイズを行う。例えば、kintoneの標準機能にはない自動採番機能や他アプリへのデータのコピー機能などを顧客の要望に応じて開発する。または、既にシステム39で開発したアプリケーションに対して、JavaScriptで任意の3機能のカスタマイズを行う。

 システム109は定額109万円のプラン。アプリケーションを作成した上で、JavaScriptで任意の3機能のカスタマイズを行う。これに加えて、やや規模の大きな開発が必要な「拡張機能」を一つ実装できる。拡張機能は選択制で、「バッチ処理」「独自の入出力画面」「ExcelやPDFでの独自の帳票出力」の三つを用意している。バッチ処理は米Amazon Web Servicesのイベント駆動型コード実行サービス「AWS Lambda」で実装している。定額料金に含まれるのは開発費用で、AWSの利用料金は顧客負担となる。

 システム190、システム390はそれぞれ190万円、390万円で、カスタマイズや拡張機能をさらに増やしたプランとなる。上位プランを拡充したことで、定額制SIで対応できる範囲はさらに広がった。四宮氏は「さらに定額制SIを利用する顧客が増える見込んでいる」と期待する。

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