総務省が3月21日に発表した「電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表」によると、2016年度第3四半期(10~12月期)における移動系通信(携帯電話・PHS・BWAの合計)の契約件数の純増数は、MNO(携帯電話事業者)が56万件、MVNO(仮想移動体通信事業者)が59万件で、2四半期ぶりにMVNOがMNOを上回った。

図1●移動系通信の契約数におけるMNO・MVNO別の純増数の推移
出所:総務省 電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表 (平成28年度第3四半期(12月末))
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 国内のMVNOは、MNOのプランとの価格差を訴求することで市場を開拓してきた。例えばデータ通信量が月5Gバイトで音声通話付きプランの場合、MVNOのプランはMNOと比べて3000~4000円程度安い。特にパケットが低容量の領域ではMVNOのコストパフォーマンスは圧倒的であり、MVNOの優位性は揺るがない。

米国で進む「無制限プラン」

 ここで気になってきたのが、米国の携帯電話事業者の動きである。4社が競争の末、いずれもデータ無制限プラン(Unlimited)を導入した。1回線契約の場合1カ月当たり50~90米ドル(5700~1万300円程度)であり、家族などで回線を追加するごとに割安になる。実際は22G~30Gバイトの使用で速度制限がかかるものの「無制限(Unlimited)」という名称は分かりやすく、インパクトがある。

 日本では昨年、ソフトバンクを皮切りに携帯電話大手各社が20Gバイトや30Gバイトの大容量プランを導入した。細分化され過ぎたパケットプランを整理し、5Gバイトプランに集中するユーザーをプラス1000円で20Gバイトプランに誘導する施策と言える。だが20Gバイトといった容量を打ち出す限り、対象ユーザーは自らのパケット使用量を把握しているようなヘビーユーザーの域を出ないだろう。

 仮に日本市場で米国の携帯電話事業者のような無制限プランが導入された場合、MVNO市場にも影響を及ぼすのではないか。携帯電話事業者が「無制限プラン」を導入することで、再び競争軸が変わる可能性がある。

 ここでMNOが「無制限プラン」を導入すると、MVNOの優位性を際立たせているパケットプランの軸を希薄にできるかもしれない。少なくとも低容量の領域以外では、MNOが再び優位に立てる競争軸を作れるのではないか。

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