パナソニック、NTT、キヤノン、富士通、NEC――。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京五輪)を支援するスポンサーに、国内ICT企業が相次ぎ名乗りを挙げた。その各社が受注獲得を目指しているのが、監視カメラの膨大な映像データをリアルタイムに解析してテロや犯罪を未然に防止する「映像セキュリティシステム」である。スタジアムや選手村など五輪関連施設に加え、飛行場、鉄道などの公共施設や観光地でも需要が高まりそうだ。

 東京五輪の開催に伴う波及効果は、民間試算で約19兆円、このうちICT関連は1兆円を上回るとされる。国内でもテロの脅威が喧伝されるなか、映像セキュリティシステムはICTにおける五輪商戦最大の激戦地になりつつある。

 スポンサーとして大会を支援する対象となる製品・サービス分野「スポンサーカテゴリー」からは、映像セキュリティシステムをめぐる各社の戦略が透けて見える(図)。1つのカテゴリーを獲得できるのは1社のみで、CMなどで東京五輪と絡めたマーケティング活動を独占的に行えるほか、東京五輪向け施設への製品・サービス受注でも有利になるとされる。

図●東京五輪のスポンサー企業と関連するスポンサーカテゴリー、映像セキュリティへの施策
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 スポンサー企業の中で、最も優位な位置にいるのが、監視カメラ機器で国内首位、世界3位のパナソニックだ(関連記事:パナソニックが2020年向け新技術を公開) 。同社は2014年2月に、世界最上位のスポンサー契約となるTOPパートナー契約を更新した。スポンサーカテゴリーには「AVセキュリティー関連機器」、つまり監視カメラ機器も入っている。

 パナソニックは2014年12月に、同じくTOPパートナーのIT企業である仏アトスと、「スタジアムや関連施設へシステムを設置する『セキュリティ』分野」について共同開発することで合意した。少なくとも、東京五輪の施設向け映像セキュリティシステムでは、この両社が受注で有利な位置にいるのは間違いない(写真1)

写真1●パナソニックは2015年2月10日、2020年に向けて開発中の技術の一つとして、セキュリティ対策に利用するウェアラブルカメラを公開した。例えばフルマラソンのコースの各所にいる係員がウェアラブルカメラを身に付けることで、固定カメラより広い範囲を監視できる
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