日本IBMとソフトバンクは2016年2月18日、米IBMの自然言語処理・機械学習システム「Watson」の日本語版サービスを正式に始めた(写真1)。これまでβ版で提供していたいくつかの機能を正式版に格上げした。既に10数社とWatson日本語版の導入で契約したという。

写真1●日本IBM 代表取締役社長のポール与那嶺氏(左)、ソフトバンク 代表取締役社長兼CEOの宮内謙氏(中央)、米IBM Watsonビジネス開発担当 シニア・バイスプレジデントのマイク・ローディン氏(右)
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 三菱東京UFJ銀行は会見で、Watson日本語版を使い、LINE公式アカウントによるQAサービスを同日に始めたことを明らかにした。「主人の名前で振り込みたいが何を持っていけばいいの?」といった質問に対し、確信度の高い回答を3つ挙げる。将来は、投資相談のサービスにもWatsonを応用するほか、「ロボティクスと組み合わせ、多言語サービスや営業時間外サービスも展開したい」(三菱東京UFJ銀行 専務取締役の村林聡氏)と説明した。

 このほか記者会見には、Watsonを使ったアプリケーションを開発するパートナー企業5社が登壇。ユースケースの一例として、カラフル・ボードは「チャットによるファッション推薦」、FiNCは「健康相談における回答候補の作成」、第一三共は「医薬品研究開発におけるタンパク質情報の解析」、フォーラムエンジニアリングは「人材マッチング」などの活用アイデアを紹介した。

 米IBMとソフトバンクが2015年2月に戦略提携してから約1年の間、日本IBMが日本語処理機能の実装を、ソフトバンクが業務利用を想定した検証を担当した。今後、日本IBMが社内ハッカソンなどで2016年内に100のユースケースを作成、ソフトバンクも法人向け営業販売の体制を整備する。

 同日の記者会見で日本IBM 代表取締役社長のポール与那嶺氏は「Watsonの原点は日本にある」と説明した。「約30年前に大和の研究所が開発したテキストマイニング技術(TAKMI)が米国に渡り、5年前にWatsonとして『ジョパディ!』に現れた。今回のWatson日本語版の開始は、里帰りのようなものと考えている」(ポール与那覇氏)。

 同会見でソフトバンク 代表取締役社長兼CEO(最高経営責任者)の宮内謙氏は「ソフトバンクは、あらゆるITを使って経営をスマートにする。そこに一番フィットしているのがWatsonだ」と語った。「今、社内ではWatsonに関する6つのプロジェクトが走っている。社員がスムーズに仕事するため、セールス活動を効率化するため、Watsonを使える。既にソフトバンクの2000店舗で接客しているPepperにWatsonを導入すれば、お店がよりスマートになるだろう」(宮内氏)。

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