首都圏の鉄道やバス、航空事業者など計24社・団体が公開したデータを活用したアプリケーションやアイデアに関するコンテスト「東京公共交通オープンデータチャレンジ」が2018年3月15日まで開催されている。国内の公共交通分野のデータ公開としてはかつてない規模だ。

 コンテストを主催するのは、JR東日本や東京メトロ、グーグルなど55の企業や大学などが会員である「公共交通オープンデータ協議会」。エントリーした参加者に時刻表などのデータを機械処理可能な状態で無償公開している。

 「今までTRONプロジェクトをはじめいろんなことをやってきたが、人生いろんなことを乗り越えてきた中でも最もハードルが高いものの1つだった」。コンテストの審査員長を務める、東洋大学の坂村健 情報連携学部長はこう話す。

東京公共交通オープンデータチャレンジ審査員長の坂村健 東洋大学情報連携学部長と、越塚登 東京大学大学院情報学環教授(左)
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 コンテストにエントリーした開発者らは時刻表などの静的データのほか、一部の交通事業者の運行状況などの動的データをAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)で利用して様々なアプリを開発できる。既に1000件に迫るエントリーがあるという。

 ところが2017年12月7日にコンテストへのエントリー受付が始まると、インターネットで開発者からデータ内容に不満の声が上がった。交通事業者によって所要時間の分秒の単位が異なっていたり、取得できないデータ項目があったりしてデータがふぞろいで扱いにくいという。

 こうした指摘について坂村氏は「データについていろいろネットで言ってもらった方がいい」と歓迎する。一方で「曲がりなりにも少しずつデータが出てきていることが重要だ」と語り、参加者の理解を求めている。

約6年かけて交通事業者を説得

 坂村氏が強調するのは、交通事業者にデータを公開してもらうまでの長い道のりだ。

 交通事業者のなかには時刻表を販売する関連会社を抱えているためにデータの公開に踏み切るのが難しい事業者や、多数の社内システムでばらばらにデータを管理しているのでまとまったデータを公開するのに相当のコストがかかる事業者もあるといわれる。

 坂村氏は公共交通オープンデータ協議会の会員である約50社の交通事業者を何度も訪ねて、データの公開を求めた。「開催にこぎ着けるまで6年近くかかった」と坂村氏は打ち明ける。

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