三菱UFJ信託銀行は2017年2月1日、資産運用にディープラーニング(深層学習)を活用した投資ファンドの個人向け提供を始めた。子会社の三菱UFJ国際投信を通じて運用 する。TOPIX(東証株価指数)の株価の上昇局面を、過去の為替や金利などの変動データを基に判定。人間の担当者だけで判断する場合に比べて、利回りが高い結果が得られたという。受託残高が合計500億円規模のファンドを目指す。

写真●三菱UFJ信託銀行の染谷知 受託財産企画部次長(左)と資産運用部 国内株式クオンツ運用課の岡本訓幸 チーフファンドマネージャー
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 深層学習を使うと、株価変動を予測するモデルの変数決定を自動化できる。これまでも、回帰分析などの統計的手法を使って予測する取り組みは進められてきた。三菱UFJ信託銀行の染谷知 受託財産企画部次長は「従来手法ではあくまで、予測モデルの構造の決定は人間の担当者に委ねられていた」と説明する。

 深層学習が分析する対象のデータは約300種類にも上る。「当社が持つデータ全てを、ニューラルネットの入力データとして使用している」。資産運用部 国内株式クオンツ運用課の岡本訓幸 チーフファンドマネージャーはこう話す。

 入力するデータは、為替の変動や株価の値動き、投資家心理に関する各種指標など、株式市場に影響を与えると想定される情報。入力データが予測モデルにおいてどれくらい重要かは、ニューラルネットが自動的に判定する。

 深層学習のフレームワークは、海外製OSS(オープンソースソフトウエア)を採用した。具体的な名称は非公開。岡本チーフファンドマネージャーによれば、米グーグルの「TensorFlow」、ベンチャーのPreferred Networksが提供する「Chainer」などと共に比較した結果、「分析システムのインフラ基盤など社内環境での運用しやすさが選定の決め手」となり、採用を決めたという。

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