楽天は2018年1月26日、米ウォルマート・ストアーズと日本におけるネットスーパー事業の共同運営を軸に提携を発表した。2018年夏から運営を開始する。ウォルマートのダグ・マクミロン社長兼CEO(最高経営責任者)は「楽天との提携でEC(電子商取引)分野の技術を補完したい」と提携の意義を話す。

楽天はウォルマートと業務提携を発表。26日の会見で記者の質問に答える楽天の三木谷社長(左)とウォルマートのマクミロンCEO
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 ウォルマートの日本子会社である西友とネットスーパー事業「楽天西友ネットスーパー」を共同運営するための新会社を設立する。新会社の名称や経営陣は未定。西友の実店舗からの配送に加え、2018年内にネットスーパー専用の配送センターを設ける。生鮮食品や日用品だけでなく、カット野菜や半調理食品の品揃えを増やす。

 「食品や飲料、酒類のEC(電子商取引)化率は市場規模の2~3%にとどまり、今後の伸びしろは大きい。共働き世帯が増えるにつれ、買い物や調理に掛ける手間を省きたいという需要も増えるはずだ」。西友の上垣内猛CEO(最高経営責任者)は展望を語る。

 西友はすでに「SEIYUドットコム」の名称でネットスーパーを運営しているが、2012年に提携したDeNAがサービス設計やシステム開発を担当していた。新会社設立後はサービスを統合する予定だ。

 2018年内には米国においてウォルマートが「楽天 Kobo」の電子書籍や電子書籍リーダーなどを販売する。楽天にとっては日米で実店舗を利用できることがメリット。ウォルマートはIT企業の買収や出資を急いでおり米アマゾン・ドット・コム対抗色を強める。

「デジタル店舗」にどう立ち向かうか

 米国を中心に、IT大手が実店舗を持つ小売業に出資する動きは強まっている。アマゾンは2017年8月に米食品スーパーのホールフーズ・マーケットを買収。生鮮品を値下げするほか、自社サイトでホールフーズ商品の販売も始めた。米国を中心に約470店ある店舗網を活用し、アマゾン専用のロッカーを置くことも検討しているという。アマゾンが持つテクノロジーとバイイングパワーで、実店舗を再構築していく狙いだ。

 アマゾンは自ら店舗の運営にも乗り出している。2018年1月22日に米シアトルに「Amazon Go(アマゾン・ゴー)」と呼ぶレジのない小売店を、一般向けにオープン。約170平方メートルの店内にセンサーを張り巡らせ、レジでの決済なしに店舗を出られるという文字通り「未来の店舗」を体現した。

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