「当社での仕事を副業とする方を募集します」――。サイボウズは2017年1月17日、新たな求人形態「複業採用」を開始した。同社を含む複数の企業に就業するもので、他社を本業としつつ新たに同社にも籍を置くという求人形態である。異例の求人を打ち出した背景や狙いを同社の人事担当者に聞いた。

離職率28%で危機感、人材や働き方の多様化に全力

 「複業採用の開始を発表してから1週間で、30人が応募してくれた。さっそく面接を始めたところだ」。サイボウズ 事業支援本部 人事部で中途採用を担当する武部美紀氏は、そう話す。

サイボウズ 事業支援本部 人事部で中途採用を担当する武部美紀氏(東京・日本橋のサイボウズ本社)
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 最初に話が出たのは2016年10~11月頃。人事部内で「サイボウズの5年後~10年後の理想像を語る」というテーマで会議をした際、出てきたアイデアという。さっそく人事部で複業採用の案をまとめ、本部長会議の承認を得た。その後、同社Webサイトの採用ページや報道発表資料の準備などを進め、実質2~3カ月で発表と募集開始にこぎ着けた。

 同社がそうしたスピード感で複業採用を始められたのには理由がある。1997年に創業した同社は事業の拡大に合わせ社員数を増やしていたが、退職者も少なくなかった。社員数が少ないうちはある程度仕方ない面もあるが、2005年度には社員数が100人近くとなるなか、離職率が28%を記録。1年間に4人に1人以上が退職するという異常事態に直面したのだ。

 このままでは会社がつぶれる――。そんな危機感から同社は人事制度の見直しに着手。「100人いれば100通りの働き方があってよい」をスローガンに、人材の多様化や働き方の多様化に全力を注いできた。勤務体系では残業の有無を選択可能にしたり、短時間勤務や週3日勤務といった勤務形態も制度化。同社を退職した元社員を対象にした再入社制度「育自分休暇制度」もある。子育て関連では、育児休暇を最長6年間取得できるほか、在宅勤務を含め働く場所と時間を選べる「ウルトラワーク」といった制度を導入している。社員同士のチームワークを強固にするべく、社員のお誕生日会を制度化したりもしている。

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