インターネット上の教育サービスが世界的に盛り上がりを見せている。その代表格が、大学の講義映像や課題などを無料提供するMOOC(Massive Open Online Courses:大規模オープンオンライン講座)だ。国内では、2014年2月にNTTドコモとNTTナレッジ・スクウェアが「gacco」を公開した(関連記事:シニアや社会人も積極的に受講、“学びの壁”を取り払う無料オンライン講義の威力)。gaccoは順調に登録者を増やしており、2015年1月16日には会員数が10万人を突破した。

 海外のオンライン教育サービスに対する日本企業の出資も相次ぐ。リクルートホールディングスは、2014年9月にIT分野のオンライン教育サービス「Udacity」に出資(関連記事:オンライン学習が、一流企業就職の道を開く)。さらに2015年1月には、アダプティブラーニング(適応学習)を活用したサービス「Fishtree」への出資を実施している。三井物産も、2014年に米国とブラジルのベンチャー企業に資本参加した。

 その一方で、日本発のオンライン教育サービスをグローバルに展開する取り組みも始まっている。その先駆的存在がソニーだ。ソニーとソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)は2014年12月18日、新会社ソニー・グローバルエデュケーションを設立して教育サービス事業に本格参入すると発表した(関連記事:ソニーが新会社設立しネット活用する教育事業、サービスプラットフォームも提供へ)。新会社の設立は2015年4月1日を予定する。

日本の“算数”を世界に売り出す

 ソニー・グローバルエデュケーションは、まず「STEM」と呼ばれる科学技術や工学、数学分野に軸足を置き、さまざまな教育コンテンツを世界に向けて発信する計画だ。STEM教育が世界的に重視されていることや、コンテンツのグローバル展開がしやすいことなどがその背景にある。

 中でも注力するのは数学分野だ。新会社の社長に就任する予定の、ソニーCSL NWSプロジェクト プロダクトマネジャー テクニカルリードの礒津政明氏は「日本の“算数”を世界展開するだけでかなりチャンスがある」と自信を見せる(写真)。

 日本の小学校で取り組む算数の内容は、論理的思考力など高度な能力を要求する。文章題一つをとっても、世界的にかなり高いレベルにあるという。さらに中学受験用の問題となると「『圧倒的に進んでいる』と専門家が口をそろえる」(礒津氏)ほどだ。

写真●ソニー・グローバルエデュケーションの社長に就任予定の礒津政明氏(右)と、取締役就任予定の齋藤真氏。現在、礒津氏はソニーコンピュータサイエンス研究所、齋藤氏はソニーに籍を置く
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