ノキアという携帯電話メーカーをご存じだろうか。かつてスマホ登場前のフィーチャーフォン全盛だったころには、世界中の4台に1台がノキアの携帯電話だった時代があった。しかし2007年のiPhone登場、2008年のAndroidスマホが登場以降、ノキアは停滞していった。2013年にはついに、携帯電話端末事業のマイクロソフトへの譲渡を発表した。マイクロソフトは2014年4月に事業買収を完了したが、決して順調ではなかった。

 現在、ノキアの元CEOらが立ち上げたフィンランドのHMDグローバルがノキアのブランドで端末開発や販売を手掛けている。そして2017年1月8日、HMDグローバルはAndroid 7 Nougat搭載のスマホ「Nokia 6」を中国で発売すると発表した。具体的な発売開始日は明らかになっていないが、販売価格は1699元(約3万円)である。

写真1●Nokia 6
出所:HMDグローバル
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ノキアの元幹部が立ち上げたHMDグローバルで再出発

 2016年5月18日、マイクロソフトはフィーチャーフォン関連の資産を中国FIHモバイル(富智康集団)とHMDグローバルに3億5000万ドルで売却すると発表。マイクロソフトは携帯電話事業資産であるブランド、ソフトウエア、サービス、ネットワークのほか、顧客契約や主要なサプライ契約など関連事業資産を譲渡した。

 製造に関しては、FIHモバイルへ譲渡した。この企業は台湾Hon Hai Precision Industry(鴻海精密工業)傘下の中国Foxconn Technology(富士康科技)の子会社で、ベトナムのハノイにある端末製造工場のMicrosoft Mobile Vietnamも獲得している。

 HMDグローバルは非公開企業の新設企業で、ノキアの元幹部らが中心となって運営されている。ノキアブランドを使用する権利とデザインに関する権利をマイクロソフトから取得する。マイクロソフトの携帯電話事業の約4500人の従業員も、FIHモバイルまたはHMDグローバルに異動した。

 HMDグローバルは、ノキアの技術ライセンス事業を手掛けるNokia Technologiesとのライセンス契約により、今後10年間にわたってスマホおよびタブレット端末にノキアブランドと携帯関連の標準必須特許を使用できる。また、今後3年間に5億ドル以上を投じてノキア端末のグローバル展開を行う予定だ。端末製造はFIHモバイルが行う。今回の中国市場へのスマホ投入のように、これからもノキアブランドのAndroid搭載のスマホやタブレットを製造、販売していく(図1)。

図1●2016年5月に整理されたノキアの携帯電話事業(筆者作成)
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表1●ノキアとマイクロソフトのモバイルをめぐる動向(公開情報を基に作成)
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