写真1●サイバー攻撃の動機になったとみられる米Sony Pictures Entertainmentの映画「The Interview」
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 ソニーの100%子会社である映画大手の米Sony Pictures Entertainment(SPE、ITproまとめ参照)は2014年11月に大規模なサイバー攻撃を受けた。

 12月にはバラク・オバマ大統領が記者会見し、北朝鮮政府による犯行だという公式見解を示した。SPEが同月に北朝鮮首脳を風刺したコメディー映画「The Interview」(写真1)の劇場公開を予定していたため、それを妨害するためにサイバー攻撃に及んだとしている。

 年が明けて2015年1月に入ってからも、SPE事件の余波は続いている。米政府は、北朝鮮に対する金融制裁を実施することを決めた(関連記事:米政府が北朝鮮に対する金融制裁を実施、サイバー攻撃への対抗措置)。米連邦捜査局(FBI)長官は北朝鮮が関与しているという判断について、改めて自信を示す発言をしている(関連記事:FBI長官、サイバー攻撃に北関与との判断に自信、理由を説明)。

日本企業への攻撃に際して日本政府の動きは鈍い

 SPE事件について、北朝鮮ではなくSPEの関係者による内部犯行説も根強くある(関連記事:ソニーへのサイバー攻撃、北朝鮮関与に一部専門家が異論)。トレンドマイクロは犯行に使われた不正プログラムがハングル語環境で作成された可能性について言及している。一方で同社の染谷征良・上級セキュリティエバンジェリストは「我々は、犯行に関する直接の情報を持っているわけではないので断言はできない」と述べる。

 SPE事件は日本資本の企業へのサイバー攻撃であり、当然のことながら日本にも影響を及ぼす可能性がある。以下で日本政府を取り巻く状況と、日本の企業・組織がとるべき対策についてまとめる。

 SPE事件について、米政府に比べれば日本政府の動きは鈍い。一部の閣僚らが、北朝鮮を批判する発言をするにとどまっている。世論も、米国で起きている「対岸の火事」だと捉えているようだ(関連記事:日本は北朝鮮からのサイバー攻撃に対抗できる? 対岸の火事ではない「ソニー事件」)。

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