NECが防犯IT事業大手の英ノースゲート・パブリック・サービシズ(NPS)を713億円で買収する。不採算事業のリストラから一転、安心・安全支援に経営資源を集中させる。PC大手米パッカードベル以来23年ぶりの大型買収は実を結ぶか。

 「セーフティ事業に経営資源を最も多く配分し、早期に当社のグローバル展開の柱にしたい」――。2018年1月9日、NECは英国で政府・警察向け防犯IT事業を手掛けるNPSを713億円で買収すると発表。同日緊急会見に臨んだ新野隆社長は同社として過去2番目となる大型M&A(買収・合併)についてそう宣言した。

英NPS買収を発表するNECの新野隆社長
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 テロや自然災害に対する脅威が世界的に高まるなか、NECは防犯や防災といったセーフティ事業を今後の成長の柱に据える。NPSは英国の地方自治体向け納税・社会保障システムでシェア45%、警察向け犯罪事案管理システムでシェア29%を握る。国内向けに比べて潜在市場が大きい海外向けセーフティ事業の強化に、NPSのソフトや技術者を生かす。

 NECが持つ顔認証や人工知能(AI)を使ったヒトの行動分析、ビッグデータ解析による異常検知などの技術をNPSの資産に組み合わせる。大規模施設や街頭の防犯、行政の電子化といった分野に向けてNECの製品やサービスを強化。英国や豪州、インドなどを中心に事業を展開する。

大型投資が可能な水準に復活

 今回の買収でNECは過去15年以上続けてきたリストラから攻めに移る。2002年3月期に3000億円を超える最終赤字を計上。以来、不採算部門の縮小・撤退を重ねてきた。2017年3月期の連結売上高は2兆7000億円弱とピーク時の半分以下となったが黒字基調に回復。M&Aに向け2000億円の現預金を確保し、注力事業の強化につながる投資先を模索。第一弾がNPSだ。

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