米Intel社のプロセッサ「Atom x5-Z8300」を搭載したスティックPCが2016年2月中旬から続々と登場している。動作速度が上がり、USB 3.0ポートが増えるなど使い勝手も大幅に向上した。「Compute Stick STK1AW32SC」にUbuntuをインストールしてテストした。

 スティックPCは、テレビや液晶ディスプレイのHDMI端子に装着するだけで、パソコンとして使えるマシンだ。従来は、米Intel社の「Bay Trail」世代の統合プロセッサ(Soc)を搭載していた。

図1●Compute Stick STK1AW32SC
図1●Compute Stick STK1AW32SC
テレビにHDMI端子をつなぎ、側面の電源コネクタにACアダプターのケーブルを挿して使用する。

 2016年2月に発売されたのは、米Intel社の「Compute Stick STK1AW32SC」(図1)、マウスコンピューターの「m-Stick MS-CH01F」、サードウェーブデジノスの「Diginnos Stick DG-STK2S」の3製品。いずれもIntel社が2015年に発表した「Cherry Trail」世代の「Atom x5-Z8300」を搭載し、Windows 10をプリインストールする。仕様はほぼ同じだ。

 Cherry Trailでは、製造プロセスルールが22nmから14nmに微細化され、グラフィックス機能の実行ユニット(EU)が従来比3倍の12EUになる。

 新型スティックPCでは、インタフェースや通信機能も刷新された。USBポートは二つに増え、無線LAN機能も最大433MbpsのIEEE 802.11acに対応する(表1図2)。キーボード/マウスとUSBメモリーなどを同時に使えるメリットは大きい。

表1●米Intel社の新旧Compute Stickの仕様
表1●米Intel社の新旧Compute Stickの仕様
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図2●米Intel社の新旧Compute Stickのインタフェース
図2●米Intel社の新旧Compute Stickのインタフェース
同じ拡大率で比較した。USB 3.0ポートの追加により、約10mm長くなった。

UEFIで64ビットに切り替え可能

 新型スティックPCは、Windows 10を入れた状態でストレージの空き領域が14Gバイト程度しかない。Linuxを入れて使うメリットは大きい。編集部ではUbuntuをインストールしてテストした。

 従来のスティックPCは32ビット版のUEFIを搭載しており、これが原因でUbuntuのインストールメディアを起動できない製品が多かった。一方、STK1AW32SCは、UEFIの設定画面で、搭載OSをデフォルトの「Windows 32-bit」から「Windows 64-bit」に切り替えると、Ubuntuのディスクも起動できる。あとはUSBメモリーなどを通じてインストールすればよい。

 従来モデルではUbuntuのインストール後に無線LANやBluetoothのドライバを手作業でソースコードからインストールする必要があった。新型スティックPCは、インストール後すぐに無線通信機能を利用できる。

 Ubuntuをインストールしてから、ベンチマークテストを実施した(図3)。CPUやストレージの性能が主体の「UnixBench」では、それほど大きな差にならなかったが、グラフィックス性能を測る「glmark2」では、新型スティックPCが4割以上速かった。大画面でゲームを楽しむといった用途では、メリットがありそうだ。

図3●新旧Compute Stickのベンチマーク結果
図3●新旧Compute Stickのベンチマーク結果
Ubuntu 14.04 LTSをインストールした状態で、UnixBenchとglmark2を実施した。
出典:日経Linux 2016年4月号 p.7
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