メールサーバーソフトの新版「Postfix 3.0.0」が2015年2月8日にリリースされた。旧版のバージョン2.11系列から一気にバージョン3.0系列にアップデートされた。新版での大きな変更点は国際化のドメインやメールアドレスに対応したことだ。

 とても人気が高かったメールサーバーソフト*1に「Sendmail」がある。Sendmailでは高度な送信設定が可能だが、設定ファイルの書き方が難解で運用管理が難しいという課題があった。「Postfix」(図1)はSendmailとの互換性を保ちつつ、設定ファイルを記述しやすくして運用管理を容易にしている。今ではSendmailと共に人気が高いメールサーバーだ。

図1●メールサーバーソフト「Postfix」の公式サイト
各バージョンのソースコードが入手できる。

 そのPostfixがバージョン3.0系列にメジャーアップデートされた。バージョン2.0.0が提供されたのが2002年12月であり、約13年ぶりの更新になる。新版の主な新機能や改良点をにまとめた。

表●Postfix 3.0.0の主な新機能や改良点

目玉は国際化ドメインへの対応

 新版の目玉は「国際化ドメイン」と、それに用いたメールアドレスへの対応だ。国際化ドメインとは、ASCIIコード(半角のアルファベットや数字、記号)以外の文字コードも使えるようにしたドメイン名のこと。「総務省.jp」や「日経.jp」など、日本語のドメイン名が使えるようになっているが、新版ではそのドメイン名を使ったメールの送受信が可能になった。

 国際化ドメインを使ったメールの仕組みは「RFC 6530」(電子メール国際化の概要と枠組み)や「RFC 6531」(SMTPの拡張)、「RFC 6532」(ヘッダーフォーマットの拡張)、「RFC 6533」(配送状況・開封通知の拡張)などで標準化されている。新版はその標準を取り込んだ。

 現状、日本語のドメイン名を使う機会がほとんどなく、ましてや日本語のドメイン名が付いたメールアドレスを持っている人もほとんどいないだろう。ただ、将来必要になる機能を積極的に取り込んでいくことはオープンソースの開発として、とても重要だ。なおバージョン3.0系では国際化ドメインの一部の機能に制限がある。現在開発中の3.1系で実装を完了させる予定だ。

 2015年2月26日時点で、最新のUbuntu 14.10に含まれるPostfixパッケージのバージョンは2.11.1であり、バージョン3.0.0を使うにはソースコードからビルドして導入することになる。いち早く試してみたい場合は図2の手順でインストールできる。最後のコマンドを実行すると、設定ファイルやコマンドを格納するディレクトリーなどを聞かれるので自分の環境に合わせて答えよう。

図2●Postfix 3.0.0のインストール方法
出典:日経Linux 2015年4月号 p.9
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。