写真●中国の独自OS開発は米国が一極支配する世界OS市場にどのようなインパクトを与えるか(写真はイメージ)

 新華社通信をはじめとする複数の報道によると、中国が2014年10月にも独自のOS(Operating System)を導入するという(関連記事:中国、国産OSを10月にリリース、WindowsやAndroidからの置き換え狙う)。同OSはWindows XPの代替品としてまずパソコン向けに提供される見通し。3~5年以内にスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末向けにも対応していく計画という。

 本稿では、中国が独自のOS開発に至った背景とその狙いを解説するするとともに、米国一極支配による世界OS市場への影響について考察する。

 中国が独自のOSを開発した背景は、「米国勢による中国市場の独占に対する懸念」と「情報セキュリティを巡る米中間摩擦の激化」という二つが考えられる。順にみていこう。

OSの独自開発で狙う一石二鳥

 一つは、米国勢によって中国国内のOS市場が独占されていることに対する懸念である。中国OS市場のシェアは、パソコン向けはマイクロソフトのWindowsが90%以上、モバイル向けはグーグルのAndroidが約80%、アップルのiOSが約10%と、3社によってほぼ独占されている。

 OSはハードウエアやアプリケーションソフトを制御するコアの部分であり、パソコンやスマートフォンの普及はその存在があったからこそ実現されたと言っても過言ではない。同市場への参入は、技術的なハードルが高く、膨大な投資コストも伴うため、中国企業をもってしても容易ではない。

 ローカルソフト開発大手の中科紅旗(Red Flag)は、2000年代初期からLinuxベースのOS開発に着手していた。しかし米国勢の牙城を崩せず、2014年2月に資金が枯渇して倒産に追い込まれた。それでも、中国が同市場に参入しようとする理由はどこにあるのだろうか。

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