米マイクロソフトは2017年7月14日、同社の英国ケンブリッジ研究所の創立20周年を記念し、ロンドンにおいて人工知能(AI)関連のイベントを開催した。そのイベントは「AI、人々、そして、社会の交差点におけるマイクロソフトの役割」がテーマとなっており、同社の公式ブログでも当日付で同じ題名の記事がポストされている。マイクロソフトは2016年以降、AIを全体戦略の核として明確に位置付けており、今後はその方針を強化していくものと考えられる。

 AIを巡っては、マイクロソフトは米アップル、米グーグル、米アマゾン・ドット・コム、米フェイスブック、米ディープマインド、IBMなどと協調(2016年9月に7社による「Partnership on AI」というコンソーシアムが発表されている)すると同時に競争しながら、エコシステムの形成を推進している。このように、競争の軸はAIに移りつつあり、もはやOS──デスクトップOSはもとより、モバイルOSの分野における競争も下火になってきている。

 しかし、ここへ来て、モバイルデバイスの分野においてマイクロソフトが新たにプレゼンスを示せる素地が整い始めた兆しもある。本稿では、マイクロソフトを取り巻く最近の状況をまとめつつ、同社がこの分野で復権を果たす可能性を分析する。

モバイルOS市場を去るマイクロソフト

 「電話を再定義する」という有名なスティーブ・ジョブズ氏のプレゼンテーションによってiPhoneが鮮烈なデビューを飾ったのは、ちょうど10年前の2007年に遡る。その後、まもなくGoogleがAndroid搭載のスマートフォンを投入し、それ以来ずっとモバイルOS市場はiOSとAndroidの2強による寡占状態が続いている。マイクロソフトもWindows Phoneを投入したものの、2強に続く3番手の地位に甘んじており、2強との差はあまりにも大きいままだ。ここ数年、世界のスマートフォン販売台数全体に占めるWindows Phoneの割合は数パーセントにも満たず、その運命が風前の灯であることは誰の目にも明らかだ。

スマートフォンOSのシェア
出所:IDCやStatistaのデータを基に情総研作成
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 このような状況のなか、マイクロソフトは2017年7月11日、Windows Phone 8.1のサポートを打ち切ると発表した。これは、同社が戦略を修正し、モバイルOS市場から撤退するということを意味している。

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