2017年6月13日、米国の通信事業者ベライゾン(Verizon)は米ヤフー(Yahoo)の中核事業の買収手続きを完了したと発表した。Verizonとヤフーは2016年7月に買収に合意したと発表したが、ヤフー側に大型のサイバー攻撃による10億件以上のアカウント情報流出などのトラブルがあり、これを受けたVerizonの3億5,000万ドル分の買収金額引き下げ交渉を経て、最終的に買収金額は44億8,000万ドル(約5,000億円)となった。

 ネット創生期に登場し、かつては「インターネットの代名詞」とまで言われたヤフーはどこでつまずいてしまったのか。

米ヤフーのトップページ。かつてのポータルの面影はなくニュースばかりが目立つ
出所:米ヤフー(https://www.yahoo.com)
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AOLと統合して新会社Oathを設立、15%人員削減も

 主要事業をVerizonに引き渡したヤフーは社名をAltaba(アルタバ)に変更。中国のeコマース大手Alibaba(阿里巴巴、アリババ)や日本のヤフー(以下、ヤフージャパン)などの管理を行う持ち株会社となる。なお、ヤフージャパンの事業は今後も継続、社名の変更もない。ヤフーのマリッサ・メイヤー(Marissa Mayer)CEOは辞任するため、Altabaの経営には関与しない。

 Verizonは買収後のヤフーの主要事業と傘下のAOLを統合して、親会社Oathを設立する。AOLは2015年6月にVerizonがヤフーとほぼ同じ買収額の44億ドルで買収。Verizonが買収で得たヤフーの主要事業とは検索、広告、ニュース、ファイナンス、スポーツ、メールなど消費者にお馴染みのサービスである。

Verizonによる買収後のヤフー
出所:筆者作成
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 ヤフーが2017年4月に発表した2017年第1四半期(1〜3月)の業績は、売上高が前年同期比22.1%増の13億3,000万ドル(約1,500億円)、純利益は9,940万ドル(約100億円)で、前年同期の9,920万ドルの純損失から黒字化した。モバイル、動画、広告などの売り上げが好調であり、売却完了前の最後の決算で、今後の成長に向かう可能性の兆しが見られた。

 なおヤフージャパンが2017年4月に発表した2016年度第4四半期(1〜3月)の売上高は前年同期比7.6%増の2,227億円、純利益は同75.8%増の317億円であり、売上高、利益ともにヤフージャパンのほうが米ヤフーよりもはるかに大きい。

 ヤフーとAOLが合併したことによってOathの従業員数は1万4,000人規模となるが、約15%に当たる2,100人を削減すると報じられている。それでも1万人規模だから、IT業界のなかではそれなりに大規模な企業だ。OathのCEOには現AOLのCEOであるTim Armstrong氏が就任する。

 Oathは世界規模で事業を展開しブランド認知の向上を目指していくと報じられている。確かに、市場では英語のコンテンツが主流であることと同社の主要な収入源が広告であることを考えれば、世界規模での展開は容易だろう。

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