NTT東西の「サービス卸」の受難が続いている。当初は2014年12月にサービスを始める予定だったが、年明け(2015年1月以降)に持ち越しとなった。乗り越えなければならない課題が多く、NTTドコモが2015年2月に予定する「ドコモ光」の提供も延期が懸念されるほどである(関連記事:通信業界で不評の「サービス卸」、ドコモ光は大丈夫か)。

「見切り発車にOKは出せない」

 予定が遅れた最大の理由は、自民党の「情報通信戦略調査会」で待ったをかけられてしまったことである。2014年11月12日に自民党本部で開かれた会合で、NTT持ち株とNTTドコモがサービス卸やドコモ光などについて説明したところ、「(ルールをしっかり整理しない状態での)見切り発車にOKは出せない」と一蹴された。

 関係者の話を総合すると、情報通信戦略調査会は地域のCATV会社への影響を懸念したようである。KDDI(au)に続き、NTTドコモとソフトバンクが携帯と固定のセット割を投入して顧客の争奪戦を展開すれば、資本力で劣る地域のCATV会社は対抗できない。調査会長の川崎二郎・元厚生労働相は会合後、記者団に向けて「透明性を担保しながら、携帯3社が展開しているような(激しい)顧客争奪競争につながらないように、最終結論を出したい」と話している。その後、衆議院の解散、総選挙をはさみ、続きの議論は2015年1月となった。この段階で2014年内の提供は絶望的となり、総務省には“重い宿題”が課された。

写真1●ドコモショップの様子。2014年11月中旬にはドコモ光を案内するポスターが貼られていた。
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 影響をもろに受けたのは、NTTドコモである。11月中にドコモ光の料金を発表し、12月初旬に受付開始の計画だった(写真1)。総合受付窓口「ドコモ光センター」には400人規模の人員を確保して万全の体制を敷いていたが、延期を余儀なくされた。

 もっとも、サービス卸の提供自体は「法改正なしで実現できる」(NTTグループ幹部)。総務省の情報通信審議会も認める答申を出しており、受付開始であれば問題なさそうである。ただ、川崎調査会長は、前述した会合後の説明で、「来年に始めるというフレーズなら分かるが、(NTTドコモが)来年2月に始めるというのは、議論の結論が出る前に見切り発車するという話。それは良いのかという疑問符だけは言っておいた」と強く釘を刺している。これを無視して強引に始めるわけにはいかない。

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