格安SIM、格安スマートフォンを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)の拡大に合わせるかのように、SIMフリーのスマートフォンが急増している。最近は海外メーカーだけでなく、大手からベンチャーに至るまで国内事業者の参入も多く選択肢が急速に拡大している。SIMフリースマートフォンの現在の動向と課題を追ってみた。

今年に入ってSIMフリースマートフォン参入事業者が急増

 2015年9月に安倍首相が携帯電話料金の引き下げを指示したことが大きな話題となり、再び携帯電話の料金に関する注目度が高まっている。その動きに伴って、関心が向けられているのが、いわゆるMVNOの格安SIMとSIMフリースマートフォンのセット販売による「格安スマホ」である。

 昨年まではMVNOの数が急拡大する一方、SIMフリースマートフォンを提供するメーカーは少なくバリエーションも乏しかった。そのため、MVNOらが提供する格安スマホの内容は画一的で、選択肢が広いといえる状況ではなかった。だが今年に入ってからは、MVNOだけでなくSIMフリースマートフォンの数も急増しており、充実度が高まっている。

 SIMフリースマートフォンの数が増えている要因の1つは、参入するメーカー自体が増えていることだ。特に参入が多いのは、SIMフリー市場の拡大に商機を見出そうとしている中国や台湾など海外の端末メーカーである。今年に入り、海外で「ALCATEL ONETOUCH」のブランドで知られる中国のTCLコミュニケーションや、パソコンメーカーとして知られるエイサー、そしてキャリア向けにスマートフォンを提供していたHTCなどが、日本のSIMフリースマートフォン市場への参入を表明している。

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HTCは、前面・背面共に1300万画素のカメラを搭載した「HTC Desire EYE」など2機種を、SIMフリー端末として日本に投入することを発表

 海外だけでなく、日本からも参入する事業者が相次いでいる。国内では久しぶりとなるWindows Phoneを投入したマウスコンピューターや、かつてNECカシオモバイルコミュニケーションズに所属していた中澤優子氏が立ち上げたベンチャー企業のUPQが、SIMフリーでスマートフォン市場に参入したことは、反響を呼んだ。またWindows 10 Mobileの国内投入に合わせて、パソコンメーカーのVAIOやサードウェーブデジノス、そしてスマートフォンやパソコン用の周辺機器を扱うトリニティなどが、新たにスマートフォンを投入することを表明した。

 そしてもう1つ、面白い動きとして注目されるのが、日本から撤退していた「BlackBerry」のスマートフォンが、MVNOや代理店が独自に調達を進めて販売することにより、事実上再参入を果たしたことだ。こうした事象もSIMフリーだからこそ起こり得る新しい動きといえるだろう。

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BlackBerryのスマートフォン「BlackBerry Classic」「BlackBerry Passport」も、スマートフォンアクセサリーを扱うFOXが代理店となり、再び日本で購入できるようになった

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