統一地方選挙、参院選と今年は選挙が続く。最近は若手を中心にビジネスから議員や首長に転身する方が増えた。政治を刷新する上では結構なことだ。一方、若くして政治家を辞める人もいる。

 政治家とは「辞めてしまえばただの人」、引退したら一般人である。秘書も車も肩書も一切なくなる。昔は知事や市長も天下りをした。公立大学の理事長や美術館長、あるいは各種協会の長といった名誉職である。長老議員にも一部天下りがあった。だが最近は天下りはまれだ。若くして公務を終えた政治家たち(特に35歳から50歳くらい)を社会はどう受け入れるべきか、考えてみたい。

受け入れる企業側の戸惑い

 もともと弁護士や自営業だった方は前職に戻ればよい。あるいは公務の延長でNPO経営や大学教授、福祉系の仕事に就かれる方も一定数おられる。だが多くの元サラリーパーソンは、政治家を辞めるとまたビジネスに戻る。つまり就活か起業をすることになる。もともと世渡り上手な人が多いし、中には落選中に生活の糧を得るすべを身に付けた方も多い。結果的にほとんどの方がたくましくアフター政治家の人生を切り開いておられる。

 一方、受け入れる側の企業はどうか。オーナー系やベンチャー系は積極的に受け入れる。だが多くの一般企業では「アフター政治家」の受け入れに戸惑いがあるようだ。「政治色がつくと株主総会が心配だ」「取引先の官庁が嫌がる」「非営利の経験は会社では有用でない」といった懸念がなきにしもあらずだ。逆に「口利きが頼める」「法改正を働きかけてくれる」「官邸や役所とのコネに期待」といった過大(あるいは誤解)な期待も耳にする。「アフター政治家」の採用は、どういう視点で行うべきか。

自治体、特に市町村の元首長は経営能力が高い

 市町村長の仕事は現場で実際に人やモノや資金を動かす実務が多い。民間企業での実務経験が役に立つし、逆に市町村長の経験者は企業の経営にも向いている。また市町村長の場合、福祉から道路まで幅広い分野を経験する。いろいろな業種との付き合いから、豊富な実務経験を磨ける。特に市町村長で2期以上を経験された方はお買い得だろう。

 なぜなら、再選されたということは役所で部下をちゃんと使い、組織を動かし選挙もこなせた証拠であり、実務能力は高い。唯一、チェックすべきはプライドが高すぎないか、人との接し方はどうかという点だろう。というのは市町村長は独裁者に近い。選挙の洗礼は受けるが、それ以外の期間はオーナーのようなものである。まれだが、プライドが高すぎる、パワハラ傾向があるなどのリスクはあるのでチェックをしたい。

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