都市の勢いは各種の“業績指標”―失業率、生活保護率、犯罪発生率、学力など―の変化を過去と、そして他都市と比べて分析すると一目瞭然だ。わが国で調子がいいのは福岡、京都である。だが最も注目すべきは大阪である。各種指標が軒並み底入れし、好転しつつある。背景に何があるのか。好景気やインバウンドの復活にも助けられたが、官民を挙げての大阪自身の努力の成果が大きい。今回から5回にわたり、都市「大阪」の再生の軌跡を見ていきたい。

“大阪問題”の悪循環から脱却

 大阪は長らく三重苦(“大阪問題”という)に悩んできた。すなわち、企業の首都圏流出、一人当たり所得の減少、さらにこれらに由来する税収減と財政赤字の拡大である。

 企業の業績が悪化すると住民の雇用と所得も悪化する。すると税収も減り、一方で生活保護費など社会福祉の出費が増大する。それでますます財政が窮乏化する。それでインフラ投資が遅れ、企業誘致などで不利に働く。

 筆者は大阪府市の特別顧問として2014年に「改革評価プロジェクト」を統括した。その際にはこの問題が浮き彫りになった。それから4年を経て、今回改めて評価したところ、状況は大きく好転していた。“大阪問題”の三重苦は底を打ち、悪循環を脱しつつあるとわかった。

この先は会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら