米国の市場調査会社、Strategy Analyticsが先ごろまとめたリポートによると、昨年(2015年)10~12月期におけるスマートウオッチの世界出荷台数は810万台となり、スイス製腕時計の出荷台数を上回った。前年同期に190万台だったスマートウオッチの出荷台数は順調に伸び続け、わずか1年で約4.2倍に増えた。これに対しスイス製腕時計の出荷台数は、同じ期間に830万個から790万台へと約5%減少。これにより、スマートウオッチの四半期ベースの出荷台数は初めてスイス時計のそれを上回った。

スマートウオッチ市場は「Apple Watch」が先導

 Strategy Analyticsによると、世界スマートウオッチ市場の成長を先導しているのは、米Appleが昨年発売した「Apple Watch」。同社の推計によると、昨年10~12月期における世界スマートウオッチ出荷台数に占めるApple Watchの比率は63%だった。これに「Gear」シリーズを販売する韓国Samsung Electronicsが16%のシェアで次ぎ、「世界で出荷されるスマートウオッチは、その8割が2社の製品になった」(同社)。

 その一方でスイス時計の世界需要は減速しており、The Swatch Groupといった大手の時計メーカーは苦戦しているという。Strategy Analyticsのエグセクティブディレクター、Neil Mawston氏は、スイスの時計産業がスマートウオッチ開発への対応に遅かったことがその要因と指摘。同氏は「業界は現実から目をそらし、スマートウオッチが市場から消え去ることを期待している」との厳しい評価をしている。

 スマートウオッチについては、フランスLVMH傘下のスイス高級腕時計メーカー、TAG Heuerが比較的早い時期に製品化している。同社の「TAG Heuer Connected」は、昨年3月に発表された米Googleと米Intelとの提携に基づき開発された製品だ。これはOSに「Android Wear」を採用し、Intel製デュアルコアプロセッサを搭載。本体はチタニウム製で、サファイアガラスを用いた1.5インチディスプレイ(解像度は360×360ドット、240ppi)を備えており、価格は1500ドル(日本では16万5000円)となっている。

 TAG Heuerは昨年11月にこの製品を発売したが、先ごろ、その売れ行きが好調であるため、増産を計画していると報じられた。しかしStrategy Analyticsよると、これらスイスブランドのスマートウオッチの出荷台数は、市場全体のわずか1%にとどまり、AppleやSamsungの販売台数には遠く及ばないという。

 スマートウオッチ市場の動向については、米Gartnerも調査結果を公表している。Gartnerによると、昨年1年間における世界のスマートウオッチ販売台数は3032万台だった。同社は、スマートウオッチがすべてのウエアラブル電子機器の中で最大の収益をもたらす可能性があると見ている。とりわけウエアラブル機器を新たなライフスタイルアイテムとして広めたApple Watchの貢献度は高く、市場の成長はApple Watchに起因するところが大きいと、指摘している。

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