「スマホ(スマートフォン)シフト」や「IoT(Internet of Things)」といった考え方が、ビジネスの現場や一般消費者の生活に浸透しつつある。街を歩く人々が手に持つのはスマホだらけになり、スマホが搭載するブラウザーやアプリで情報収集することが多くなってきた。またIoTを活用したサービスやビジネスモデル構築に取り組む企業も増え続けている。

 スマホシフトやIoTを念頭に置いて市場調査を進めたり新規事業を立案したりすると、とかく次のような質問を耳にする。「ニュース消費はスマホアプリにシフトしていくのか」「センサーで集めた情報で面白いコンテンツを作れないか」「医療分野でIoTを使って、新しいビジネスモデルを構築するにはどうしたらいいか」といったものである。

 前提にあるのが、「スマホシフト」や「IoT」の影響力が強くなり、その範囲も広がっている事実だ。では実際には、企業や一般消費者にどれほどの影響を与えているのだろうか?さらに普及するには、どのような課題があるのだろうか? デロイト トーマツ コンサルティングが毎年、約30カ国を対象に実施している「世界モバイル利用動向調査 2015」(以下、モバイル動向調査2015)の結果を基に、日本におけるモバイルの普及率や利用動向を全4回にわたって整理していく。

デバイスの購入意欲は他国に比べて低い

 まずはスマホの普及率について考察する。モバイル動向調査2015では、スマホは「保有・利用できるデバイス」として、ノートパソコンに次ぐ2位となっている。イギリス、シンガポールといった他の調査対象国と比べると、スマホを保有している割合はほぼ同じ水準。過去の調査では、スマホの保有割合は他国と比べて低く、普及が遅れている傾向がみられたが、ようやく肩を並べたようである。

図1●今後12カ月以内に購入する可能性があるデバイスは?
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 購買意欲についてはどうか。スマホやタブレット端末の購買意欲は、他の調査対象国に比べて低い(図1)。「今後12か月以内に購入する可能性があるデバイスは?」という質問に対して、「いずれもあてはまらない」という回答が67%に達した。スマホやタブレットなどのデバイスなどを購入する意欲がない人が多いわけだ。

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