米Facebookは、自社サービスで使用しているデータセンターやサーバーなどのハードウエア仕様をオープン化するために2011年4月、Open Compute Project(OCP)を発足させた。OCPは、現在150社以上が参加するコミュニティに成長しており、2014年に入ってからは米Microsoft、米IBM、米VMwareが相次いでOCPへの参加を表明するなど、大きな注目を集めている。

 日本では、2013年1月にOpen Compute Project Japanが発足し、2014年1月にはOCPが公認するSolution Providerとして伊藤忠テクノソリューションズが国内で初めて認定され、OCP製品の取り扱いを開始した。

 なぜ今、ハードウエアのオープン化が注目されているのか。そしてOCPのメリットは何か。今後の展望を含めて、OCPの全容を本特集で紹介する。今回は、OCPが登場した背景について見ていく。

シリコンバレーで実際に起きているオープン化の流れ

 日本とは異なり、シリコンバレーではIT技術者の人材流動性にあるサイクルが回っているように思える。ITを利用する側のサービス事業者とITを提供する側のベンダーで、定期的に流動のサイクルが回っているかのように思えるのだ。

 具体的には、ITベンダーで働いていたエンジニアがFacebookなどのサービス事業者へ転職し、サービスに最適化されたハードウエアやソフトウエアの設計などを手がける。そしてその後、そこで培った経験を生かし、またITベンダーへ転職してITの提供側に身を置くというサイクルを繰り返す。

 シリコンバレーを中心とした米国のベンチャー企業でも、米Googleや米Rackspaceに在籍していた技術者がドロップアウトし、IT製品を開発するスタートアップを立ち上げたりする例がある。

 また最近では、Facebookや米Salesforceに代表される米国発のサービス事業者がかつてない勢いを持っており、そこに多くの優秀なIT技術者が集まっている。

 これにより、従来であればITベンダーに頼っていたハードウエア開発に対する専門性を、自社の技術者が高いレベルで提供できる環境が形成された。このようにして、GoogleやFacebookは、ハイパースケールのインフラ向けの自社専用データセンター、ハードウエアの開発を可能にしている。

 そして、FacebookのOCPによるユニークなアプローチは、現在までに自社内で開発を行ってきたデータセンターやハードウエアに関する仕様を、外部のメンバーを含むコミュニティでオープン化することで、Facebookで得られたメリットをFacebookと同様の課題をもつ世界中の企業でも享受可能としている。

 また、OCPでオープンかつスタンダードとなった技術を、今度はFacebookが採用することで、さらなるメリットを得られるエコシステムを築いているのである。

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