2016年12月10日、東京日本橋タワーにあるサイボウズの東京オフィスにて、オープンソースのオフィスソフト「LibreOffice」を日本語で使っているユーザーのための年次イベント「LibreOffice Kaigi 2016.12」が開催されました。

 LibreOffice日本語チームの創立メンバーである安部武志氏による「Maintaing LibreOffice Math」は、日本を代表するLibreOfficeのアクティブ開発者の立場から、LibreOfficeの開発をちょっと覗き見してみるという内容でした。LibreOffice MathはLibreOfficeに付属の数式エディターで、StarMath形式というコマンドあるいはGUIを使い、数式をWYSIWYGで編集すると、LibreOfficeや他のソフトに取り込めます。

LibreOffice Mathの開発について発表中の安部武志
(撮影:近藤昌貴=LibreOffice日本語チーム、以下同じ)
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 安部氏がLibreOfficeの開発に関わるようになったのは、「このプロジェクトは必ず成功する」という確信があったからだということです。そして、日々コードリーディングを行い、Easy Hacksという「開発入門のためのちょっとした手直し」をやっていくうちに、「この不具合は、もしかしてここを直せば直るのでは?」という見当がつくようになったとのこと。そこで次のステップとしてMathの開発に挑戦してみようと考えられたのだそうです。

 MathのサイズはC++のクラス数で他のモジュールより1桁以上小さく、一見簡単そうに思えます。しかし実際はちょっと深入りするとLibreOfficeのコアモジュールに行き着いてしまい、結局困難さはそれほど変わらないとのことでした。

 他の開発者とのレビューシステム上でのやりとりが紹介されたりと、LibreOffice開発の日常がかいま見える講演でした。

LibreOffice翻訳の現状と宿題

 筆者、小笠原は「Make it Better Together: コミュニティを主体としたLibreOffice UI翻訳」と題して、LibreOffice UI翻訳のワークフローと日本語翻訳コミュニティの現状、将来に向けての宿題事項などについて話をしました。

翻訳プロジェクトと開発ソースコードのバージョンの関連について説明する小笠原徳彦氏
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 LibreOfficeの各言語の翻訳プロジェクトは高いレベルでの自治が認められており、グローバルで決まっていることと、各言語翻訳コミュニティでルール化されていることがあります。それぞれのプロセスとかルールといったことをまとめるという意味はあったかなと思っています。

 今後の課題としてはヘルプをなんとかしたいということを第一に挙げました。ここについては良い解を今のところ持っていないので、さまざまな方の意見や協力を仰ぎたいところです。

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