サーバーのログデータから異常を検知し、機器が故障する前に対策を打つ予知保全は、これまで熟練技術者のノウハウによって実現していることが多かった。最近では、故障前の異常検知に機械学習を活用しようという動きが出ている。

 ユニアデックスも機械学習を使った予知保全の実現を目指すベンダーの一つだ。同社は数年前から中核事業となる保守運用サービス「統合システムマネジメントサービス IP&A」の基盤刷新に取り組んでいる。顧客からの要望に応える目玉機能が機械学習を使った機器障害の予知保全だ。

 IP&Aでは従来、熟練技術者がアプリケーションサーバーやデータベースサーバーから収集したログを分析していた。熟練技術者はログデータから正常時の特性を分析し、正常時と異なるデータ特性をサーバー障害の予兆として検知する。故障前に異常に対処することで安定稼働を実現していた。

 ただし、熟練技術者は数が限られるため、機器障害の予知保全は一部の顧客にしか提供できず、料金も高額だった。ユニアデックス マーケティング本部 未来サービス研究所 市場開発室 上席スペシャリストの廣田博美氏によると、「顧客のシステムに技術者が常に張り付く前近代的な手法だった。費用も月額何百万円もかかっていた」という(写真1)。

写真1●ユニアデックス マーケティング本部 未来サービス研究所のメンバー。左から市場開発室 上席スペシャリストの廣田博美氏、技術開発室長の藤田勝貫氏、技術開発室の椎名武史氏
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熟練技術者のノウハウを安く広く提供

 同様のサービスをより低価格で多くの顧客に提供するため、目を付けたのが機械学習だ。廣田氏は「2013年夏に、IP&Aの基盤更改や改修に合わせて機器故障の予知保全を実装したいというミッションを掲げた」と話す。

 予知保全の実装を実現するため、廣田氏は付き合いのあったブレインズテクノロジーに相談を持ちかけた。「2013年夏にブレインズテクノロジーに相談したところ、ちょうど開発中の機械学習関連サービスの紹介を受けた」(廣田氏)。

 2014年度には、IP&Aの基盤更改・改修のプロジェクトが正式に立ち上がる。「2015年3月のプロジェクトの最終報告に間に合うように、機械学習による機器故障の予知保全の実証実験を進めた」と廣田氏は当時を振り返る。

 実証実験は2015年2月半ばに準備を始め、2月中に終了した。利用したのはブレインズテクノロジーのデータ分析基盤「Impulse」だ(関連記事:ブレインズテクノロジー、「Spark」によるデータ分析基盤の新版発表写真2)。

写真2●ブレインズテクノロジーのSparkを使ったデータ分析基盤「Impulse」の概念図
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