前編はこちら

 LibreOfficeでは、Google Summer of Code(GSoC)も新しい開発者を育てる重要な役割を担っています。GSoCは、様々なFLOSSの団体の課題に学生が挑戦して、達成すればスポンサーのGoogleから学生に賞金が出るプログラムです。

 メンターの負担は大きいそうですが、世界中から優秀で意欲の高い学生が参加してくれます。経験した学生が卒業後にLibreOfficeのサポート企業へインターンに行ったり、就職するケースも少なくありません。2016年もGSoCに関連するセッションが行われていました。

 フルタイムのLibreOffice開発者は様々な企業に雇用されています。それらの企業の事業が順調かどうかは、LibreOfficeの開発速度に影響します。2016年のスポンサー基調講演は英Canonical、英Collabora Productivity、独CIBの3社でした。

 Collaboraは、もともとは独SUSEのLibreOfficeチームが英国のオープンソースベンチャーへ移籍してできた会社です。ソースコードレベル(レベル3)サポートとLTS(長期サポート)に特化しており、それ以外のサポートはパートナー企業に任せています。

 Jan Holesovsky氏(通称Kendy)に聞いたところ、開発者も15人ほどに増やしてきているそうで、相変わらずLibreOfficeコミュニティでは最大勢力です。LibreOffice Online(Collabora Online)の開発も継続しており、サポートビジネスは回っているようです。

 CIBはドキュメントライフサイクルのビジネスの会社で、LibreOfficeサポートビジネスでは、ソースコードレベルやLTS以外にも、コンサルティングやトレーニング、マクロの移行など幅広いサポートを行っています。TDF創設メンバーの1人で、SUSEから移籍したThorsten Behrens氏や、Thorsten氏のパートナーであるKatarina Behrens氏などLibreOfficeに関わる開発者は10人ほどいます。ただ、LibreOfficeだけではなく、他の開発も担当しているそうです。

 米Red Hatは5人のLibreOffice開発者を抱えており、人数に比べてコードコミット量が多いのが特徴です。一般的なLibreOfficeサポートビジネスは行っておらず、研究開発の位置付けだと思われます。ブルノのRed HatオフィスにいるDavid Tordon氏は旅行が嫌いとのことで今までのカンファレンスには参加しておらず、筆者は今回初めて会うことができました。

スポンサー基調講演で、CIBの開発チームを紹介するThorsten Behrens氏
(撮影:榎 真治)
[画像のクリックで拡大表示]

この先は会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は申し込み初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら