佐賀県多久市と日本マイクロソフト、ソフトバンク コマース&サービスは2018年1月26日、クラウドサービスを利用して「児童・生徒の学び方改革」と「教職員の働き方改革」を進めるプロジェクトを、多久市で開始すると発表した。多久市はマイクロソフトのクラウド「Azure」を使って学習支援と校務支援のシステムを構築。日本マイクロソフトとソフトバンク コマース&サービスが技術支援する。

 多久市は2009年に市内の全ての小中学校に電子黒板を導入するなど、ICT(情報通信技術)を活用した教育を推進している。2016年度には教育現場のクラウド活用を目指す、総務省の「先導的教育システム実証事業」に参加。小学校と市役所を「Skype」でつなぎ、5年生が市長に対してプレゼンテーションをするといった取り組みを進めてきた。市内の小・中学校を再編するなどして、2017年4月からは小中一貫の義務教育学校を3校設立している。

3者が参加し、小中一貫の多久市立東原庠舎中央校でプロジェクトの協定書を締結。左から、ソフトバンク コマース&サービス エデュケーションICT推進室の古泉学室長、多久市の横尾俊彦市長、日本マイクロソフト執行役員常務の佐藤知成パブリックセクタ―事業本部長
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 今回のプロジェクトでは、2018年2月にクラウドサービスの運用を始める。児童や生徒の学び方改革の取り組みは、OSやOfficeソフト、セキュリティサービスなどを利用できるマイクロソフトの統合サービス「Microsoft 365 Education」を導入する。

 文部科学省は、話し合いや学び合いなどを通じて、児童や生徒がお互いに連携して学習する「協働学習」の推進をうたっている。多久市では、クラウドやタブレットを活用することにより、授業時間の8割で協働学習を実施することを目指す。

 教職員の働き方改革では、新たに成績処理や事務処理などができる統合型校務支援システムを導入する。クラウド上で教材を共有することで、教員の授業準備の負荷を低減する。

 2018年度には、教職員が自宅からクラウドを介して仕事ができるテレワークも始める。テレワークでは「天変地異や感染症、事故などで教員が出勤できなくなった際に、自宅から児童や生徒に宿題を出したり、児童や生徒の様子を把握したりする」「具合が悪くなって早退した教員がSkypeを利用して会議に出席する」といった使い方が考えられるという。

 多久市教育委員会の田原優子教育長は「教職員の長時間労働は思い切った方針を出さなければ、いつまでも続く。クラウドで教材をシェアするなどして教職員の労力を減らし、子供と向き合う時間をもっと確保したい。現在は四十数パーセントの職員が月に80時間以上の残業をしている。教職員の意識改革も進め、これをゼロにしたい」と語った。

多久市教育委員会の田原優子教育長。ICT活用で、月80時間以上の残業をしている教職員をゼロにする考え
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プロジェクトで進める「児童・生徒の学び方改革」と「教職員の働き方改革」の概要
(出所:多久市教育委員会)
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