もっと手っ取り早く気軽に、多くの従業員が現状よりも高度なデータ分析ができるようになれば─。こう願う読者は少なくないだろう。

 こうした場合、表計算ソフトのエクセルや市販の著名な分析ツールを使うことは有効だが、選択肢はこれだけではない。新しい“無名”の分析ツールを導入して、成果を上げている企業がある。

 「役員の人脈で知った分析ツールを使ってみたところ、手間がかかっていた分析作業が簡単にできるようになり、感動した」。こう語るのが、デジタルマーケティング支援を手掛けるメンバーズの中野学アカウントサービス第5ディビジョン第1グループアカウントプランナーだ。

 中野氏の仕事は、顧客企業に対するウェブ販促の企画や効果測定。ここでは、データ分析は重要な仕事の1つである。多変量解析に代表されるようなより高度なデータ分析を実践し、顧客企業に付加価値の高い提案をしたい。そう考えて、2013年秋から利用を始めたのが、ITベンチャーであるサイカ(東京・新宿)が手掛けるクラウド型データ分析サービス「xica adelie(サイカ アデリー)」(月額最低利用料金は5万円)だ。

 同サービスの売り文句は、「誰でも簡単に使える統計分析ツール」。メンバーズはxica adelieを活用し、バナー広告の表示回数と誘導先ページのアクセス数の相関係数を算出するといった分析作業の手間を大幅に省いている。「これまでベテランの知見に頼る部分の多かった分析作業を、若手でも容易にできるようになった」(中野氏)。

メンバーズは難しそうな分析も“簡単ツール”で実践(画面例)
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 分析作業の効率が高まったことで、新たな分析にも着手。「天候データとデジタルマーケティング施策の相関関係から、新発見もあった。今後も様々なデータを多面的に分析して、新たな施策を提案したい。さらに、その効果を客観的に顧客企業に示せば、満足度も高まるはず」と中野氏は意気込む。

 統計学や分析ツールに詳しくなくても使いこなせる製品・サービスは今後も増えそうだ。製品・サービスの動向に目を光らせ、知名度や導入実績にこだわらず試してみることも、データリテラシーを高める有効な方策といえそうだ。


出典:日経情報ストラテジー 2014年5月号 p31
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