「店頭販売にまでクーリングオフという“劇薬”を入れると、店頭でのハンドリングに負荷が高まり、お客様の待ち時間も増えるし、スタッフの採用にも大きなダメージが出る。執行猶予が欲しい。業界として努力する」と訴えるのは、218のソフトバンクショップを運営するベルパークの西川猛社長。

 総務省が開催しているICTサービス安心・安全研究会の「消費者保護ルールの見直し・充実に関するワーキンググループ(WG)」が2014年6月に提示した「中間とりまとめ(案)」に、対する思いを吐露した。

 中間とりまとめ(案)では、携帯電話の窓口販売にまでクーリングオフの網をかけるという提言がなされた(関連記事:クーリングオフ、SIMロック解除義務化の波紋、そして浮かび上がる疑問)。西川社長の言葉は、それに対する販売代理店トップとしての率直な心情を示している。

NTTドコモの携帯電話ショップ(写真の店舗は本文とは関係ありません)

 クーリングオフは本来、訪問販売や電話勧誘販売といった「不意打ち」性の高い販売手法から消費者を守るという目的で、特定商取引法(特商法)などに盛り込まれた制度だ。契約した後でも冷静に考える時間を与え、一定期間であれば無条件での解約を可能とすることで消費者を保護している。

 ただ、携帯電話の店頭販売であれば、消費者が自らショップに赴いて携帯電話を契約するわけだから、不意打ち性という言葉は当てはまらない。それがなぜ、店頭販売まで含めるのだろうか。WGでの議論では、携帯電話の場合、店頭とはいえ「不意打ちに準じる販売がなされている」という意見が大勢を占めたのがその理由だ。

 確かに携帯電話の販売店には、その場で説明されてもにわかには理解できない難解で複雑な料金・サービス体系、フォトフレームなどによる巧みな抱き合わせ販売、特典付きオプション盛りといった販売手法が多い。「不意打ちに近い」と言われれば、筆者も一人のユーザーとして経験上そう感じる。

店頭での不意打ち販売を実感

 半年ほど前、筆者の家族がiPhone5sに機種変更したときのこと。「通話が多い方には、家族間で料金を分け合える裏技があります」というショップ店員の巧みなセールストークに乗せられて、キッズケータイを追加契約してきた。報告を受けた筆者は愕然としたものだ。

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