破壊的イノベーション――。既存のやり方や製品の存続を脅かし、最終的にはその存在までをもぶち壊す、そんな形のイノベーションをこう呼ぶ。一方で、破壊的イノベーションは新たな成長産業を生み出し、「産業の新陳代謝」を促進する存在でもある。

 破壊的イノベーションをどう捉えるかは人によって異なるだろう。(1)新たなチャンスと捉える、あるいは(2)既存の考え方や事業を邪魔するものと捉える、といった大きく二つの態度に分かれそうだが、これまで連綿と続けてきた商売を“破壊”される側からすれば、(2)と捉える方が多そうだ。

 その結果、外部で破壊的イノベーションが起こりつつあるとき、存続を脅かされる側は「抵抗勢力」として既存の規制などを盾にその芽を摘む、あるいは時間稼ぎのための行動に出る、はたまた傍観者として緩慢な衰退に身を委ねることになる。

ノーリツ鋼機の西本博嗣 代表取締役社長CEO
写真1●ノーリツ鋼機の西本 博嗣 代表取締役社長CEO
プロフィール:和歌山県出身。43歳。近畿大学商学部卒業。1993年4月ノーリツ鋼機株式会社入社。2009年4月NKリレーションズ代表取締役社長、同年6月ノーリツ鋼機専務取締役、同年12月代表取締役専務。2010年4月から現職。
写真:新関 雅士

 こうした破壊的イノベーションに抗えない状態から、復活を遂げた企業がある。和歌山の名門、東証一部上場企業のノーリツ鋼機だ。代表取締役社長CEOを務める西本博嗣氏(写真1)が取締役に就任した2009年、ノーリツ鋼機は赤字が続いていた。だが2013年3月期には当期純利益も黒字転換するまでに復活を遂げている。

 この背景には、積極的なM&A(買収・合併)戦略がある。だが、単に新しい会社を買ったという理由だけで復活を遂げたのではない。底流に西本社長のぶれない考え方があったからこそ、名門企業を新たな成長のフェーズへと導けたのだ。変化が加速する時代、この西本社長の考え方はあらゆる業種の企業の参考になるはずだ。以下紹介する。

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