2014年は、教育現場でのICT(情報通信技術)の存在感が今まで以上に増しそうだ。春から全県立高校の新入生にパソコンを導入する佐賀県をはじめ、複数の自治体で1人1台の学習端末の整備が進む。

 高等教育に目を向ければ、「MOOC」(Massive Open Online Courses)と呼ばれる無料のオンライン講義の配信が国内で始動する(関連記事)。動画教材を活用して自宅で基礎知識の習得を済ませ、教室では応用課題や議論などに取り組む「反転授業」と呼ばれる学習スタイルも広がりを見せるだろう(関連記事)。

 こうした大きな動きが相次いでいることもあり、この分野がいつになく世間の関心を集めているように思う。テレビや新聞など一般のメディアで取り上げられているのも頻繁に目にする。

 筆者は数年前から教育現場でのICT活用を取材しており、専門サイト「教育とICT Online」での連載の編集も担当している。当然、最先端の取り組みには興味があり、この先どんな展開を見せるかワクワクしている。ただし個人的には、「普通の学校の、普段の授業でのICT活用」も気になっている。

 それは一見地味で、大手メディアに登場することも少ない。だが筆者が心を動かされ、その効果を強く実感するのは、普段の授業でのICT活用を取材するときが多い。

ただ“映す”だけで効果がある

 ITpro読者の皆さんは、「授業でのICT活用」と聞いて何を連想されるだろうか。「リッチな動画教材を視聴」「ネット検索を駆使して調べ物」「ゲーム開発を題材にしたプログラミング学習」などを思い浮かべる方も少なくないだろう。もちろんこれらもICT活用の一例だが、ここで取り上げたいのはもっとシンプルな活用法だ。

 代表例が、「教科書を大きく映し出す」こと。電子黒板やデジタル教科書があれば、電子黒板に教科書そのものを大きく映す。それらがない場合は、書画カメラ(実物投影機)が活躍する(写真1)。書画カメラとは、カメラの下に置かれたものを撮影できる機器のこと。書画カメラの下に教員が教科書を置き、プロジェクターなどを使ってスクリーンに投影する。

写真1●書画カメラ(実物投影機)を利用しているところ(写真は東京都新宿区立四谷小学校で2010年に撮影したもの)
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