この連載では,「ダメに見せないことで評価を高める」ための仕事術を扱っている。前回までは、「仕事が進まない、放置体質」というネガティブ特性について説明した。ネガティブ特性は以下の通りである。

  1. 先を読まない、深読みしない、刹那主義
  2. 主体性がない、受け身である
  3. うっかりが多い、思慮が浅い
  4. 無責任、逃げ腰体質
  5. 本質が語れない、理解が浅い
  6. ひと言で語れない、話が冗長
  7. 抽象的、具体性がない、表面的
  8. 説得力がない、納得感が得られない
  9. 仕事が進まない、放置体質
  10. 言いたいことが不明、論点が絞れない、話が拡散
  11. 駆け引きできない、せっかち、期を待てない

 今回から10番目の「言いたいことが不明、論点が絞れない、話が拡散」について説明する。

 「言いたいことが不明」「論点が絞れない」「話が拡散」の三つは、ここではどれも同じこと=「何を伝えたいのか分からない、相手に伝わらない状況」を意味する。「何らかの目的を持つ説明において、相手に正しく伝える的確な説明をしない、またはできない」という行動特性のことである。

 これは以前に紹介した六つめのネガティブ特性である「ひと言で語れない、話が冗長」に似ているが、筆者の定義上は明確に異なっている。すなわち、「ひと言で語れない、話が冗長」は、伝えようとしている内容は正しいが、その説明における「話」が長い状況である。

 一方、「言いたいことが不明」「論点が絞れない」「話が拡散」は、「伝えようとしている内容自体が分からない」という状態である。これは「ひと言で語れない、話が冗長」よりも、さらに悪いネガティブ特性であることが分かるだろう。

 「伝えようとしていることは分かるが、無駄な話が多い」のなら、まだ救いがある…、無駄な話は聞き流せばよいからだ。

 しかし、「伝えようとしていること自体が分からない」場合は救いがない。なぜなら、聞き手が「質問などをしながら、理解しようと努力する必要が生じる」ため、ビジネスコミュニケーション上に多くの無駄を生むからだ。さらに悪いことに、話し手と聞き手の人間関係が悪化する懸念もあり、業務効率上良いことがない。

 この結果、「言いたいことが不明」「論点が絞れない」「話が拡散」のネガティブ特性を持つ人は、周囲から「あの人は何を言っているのか分からない」「話が飛びすぎる」「論点が明確にならない」と言われ、「仕事ができない」との悪評価を受けてしまう。

 だから、このネガティブ特性を持つ人はすぐにでも矯正すべきである。出来るだけ早く矯正しないと、悪い評価が累積し、「職場の厄介者」となるから、指導者はしっかり指導してやることが必要になる。

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